第896回 『温泉トラフグ』
9月11日放送
「海のない栃木県で海の魚を養殖?不思議な「温泉トラフグ」」
「海のない栃木県で海の魚を養殖?不思議な「温泉トラフグ」」
栃木県の北東部に位置する那珂川町の名物は、なんと「温泉トラフグ」!海から遠く離れたこの地でなぜトラフグを養殖しているのでしょうか?その謎を解き明かし、天然にも負けない「温泉トラフグ」のおいしさの秘密に迫ります。まず訪ねたのは地元で人気の寿司店「大八寿司」。店主の佐藤薫さんは、自前の温泉トラフグTシャツを着て刺身を引きます。さらに「火を入れると旨味が出ておいしい」という温泉トラフグ料理一番のおすすめは「炊き込みご飯」です。ショウガやニンニクの特製タレに漬けた身を焼き、アラでとった出汁と一緒に炊き上げます。地元ならではの温泉トラフグの味わいにご期待ください!
「温泉トラフグの謎に迫るフレンチのシェフ」
「温泉トラフグの謎に迫るフレンチのシェフ」
そんな温泉トラフグの謎を解くのは、宇都宮市で人気のフレンチ「レストラン チヒロ」の相馬千尋シェフです。さっそく養殖センターを訪ねます。そこで相馬シェフが見たのは…水温25度の温泉で悠々と泳ぐ1万尾のトラフグ!!実は太古の昔、栃木県のほとんどは海だったのです。地中にはその名残で海の塩の層があり、那珂川町には塩分を含むしょっぱい温泉が湧いていました。それを利用してトラフグの養殖が実現したのです。さらに相馬シェフは馬頭温泉郷「元湯 東家」を訪ねます。女将の古内テル子さんが振る舞う自慢の温泉トラフグ料理。相馬シェフはそこから新作料理の大きなヒントを得ます。温泉トラフグの美味しさの秘密に迫ります!
「町を活性化したい!立ち上がった一人の男」
「町を活性化したい!立ち上がった一人の男」
温泉トラフグの生みの親・野口勝明さん(故人)。年々人が減っていく生まれ故郷を何とかしたいと、目をつけたのが温泉でした。廃校に水槽を持ち込み、養殖に適した温泉の水温や塩分濃度を何か月もかかって分析。トラフグの稚魚を購入し、試験養殖を始めます。いくつもの困難を乗り越え、2010年ついに養殖に成功。翌年から温泉トラフグの本格出荷となったのです。この養殖の成功は、バブル崩壊後、経営に苦しんでいた地元の旅館や飲食店を救いました。「元湯東家」の古内テル子さんは…“フグじゃなくて福が来たようだった”と当時の嬉しさを語ります。温泉トラフグに賭ける女将の思いとは…。
「フレンチの匠が挑む!渾身の一皿」
「フレンチの匠が挑む!渾身の一皿」
那珂川町で温泉トラフグの謎を探った、「レストラン チヒロ」の相馬シェフ。そこでつかんだ特徴を生かし、新作メニューに挑みます。まずは「食感」を生かす前菜。合わせるのはなんと桃!特製のピクルス液で桃をピクルスにし、甘酸っぱい風味をまとわせます。さらに、温泉トラフグの旨味を引き出すため、2時間かけてじっくり火入れしたフグのアラで出汁をとります。そして取り出したのは「熟成した温泉トラフグの身」!熟成することでやわらかくなり、旨味を凝縮…フレンチの技で温泉トラフグがどんな料理に生まれ変わるのか?お楽しみに!
取材先
制作担当
【ディレクター】吉井みどり(テレビ朝日映像)
【プロデューサー】高橋 司(テレビ朝日映像)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)