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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第811回『みどり大根』

12月21日放送

■冬の食卓に欠かせない大根

■冬の食卓に欠かせない大根

寒さが厳しくなる程、甘さが増す大根。煮てよし、焼いてよし、生でもよし。みずみずしい大根おろしは、焼き魚に欠かせません。大根が含むアミラーゼは消化を助けて、辛み成分は薬味の役割も果たします。葉から根まで捨てるところのないスーパー“エコ野菜”。日本人は、漬物や切り干しに加工して保存食としても大切に味わってきました。スタミナあふれるパワー食!大根は、紀元前2200年前、古代エジプトのピラミッド建設に携わる労働者の貴重な食糧でもありました。偉大な建造物も大根の力が支えていたのかもしれません。大根に秘められた知られざる物語を紐解きましょう。

■雪の降る鍋

■雪の降る鍋

東京・上野に名だたる文化人に愛された店があります。昭和34年創業、みちのく料理「北畔」は、料理番組を35年担当した料理研究家、故・阿部なをが初代女将で開業。青森出身の版画家・棟方志功や劇作家・寺山修司も足繁く通っていたそうです。お客さんに大人気の冬限定の大根料理は、二代目女将が初代女将を想って生まれました。フレッシュなタラの白子に、大根おろしをたっぷりのせて供する「津軽雪鍋」。女将が降らせる雪は、厳しい津軽の雪景色を映し出します。身も心もポッカポカ!真っ白な極上の雪をご堪能ください。

■フレンチde大根

■フレンチde大根

ヨーロッパでも大根は冬の食卓を彩ります。東京會舘のフレンチレストラン プルニエの調理長・松本浩之シェフは、フランスの三ツ星レストランで修業を重ね、ヨーロッパの大根に衝撃を受けました。「日本の大根はみずみずしいのに、フランスの大根はドライでカサカサ!」水分の少ないヨーロッパ生まれの乾いた大根をどう調理すればいいのか。おいしさの方程式を松本シェフが解き明かします。カギを握るのは「オイル」油脂分です。本場で磨いた艶やかな大根の調理ワザを、どうぞお楽しみに!

■みどり大根七変化

■みどり大根七変化

信州上田で翡翠(ひすい)色に輝く大根を見つけました。その名も「うえだみどり大根」。水分は豊富なのに食物繊維がみっちり果肉を覆っているため、切っても水が滴りません。油で揚げると『フライドポテト』みたいにホクホクした芋のような食感にかわり、皮ごと生でかじると『梨のようなフルーティーな甘さ』で、ピリッと辛味も追いかけてきます。「みどり大根は、葉もごちそう!」上田の蕎麦屋「琴笙庵」の女将・花岡純子さんが紡ぎだす冬限定のみどり大根メニューとは?信州味噌や信州蕎麦とあわせる華麗なレシピが登場します。

■みどり大根プロジェクト

■みどり大根プロジェクト

「うえだみどり大根」のルーツは、昭和初期の満蒙開拓団にさかのぼります。信州上田からも大陸に夢を求めて、大勢の人が渡りました。でも、待っていたのは大地を切り拓く過酷な労働。寒さと餓えに苦しむ人々を救ってくれたのが、大陸生まれの「みどり色をした大根」でした。故郷の土を再び踏むことなく散った命も多いと言います。大切に持ち帰られたタネは、唯一無二の地元の宝。『先人の遺してくれた大根を全国に届けたい』立ち上がったのは、土木建築業を営む宮原政廣さん。「みどり大根プロジェクト」は7人の有志から始まりました。ところが、自慢の緑がまさかの仇に…。「緑に着色した大根なんか食えるか!大根は白いモノだ」市場開拓には厳しい試練が待ち構えていたのです。それでも宮原さんはあきらめません。土木建築で培った土の研究から誰もやり遂げたことのないエコで画期的な土壌改良材を生みだし、自然環境に負けない極上の「うえだみどり大根」栽培に成功するのです。

■みどり大根の魔法

■みどり大根の魔法

「みどり大根のおいしさをより多くの人に伝えたい!」ブランド化を進めるためには、新しいレシピの開発にも余念がありません。地元で評判の料理研究家・王鷲美穂さんは、大根の常識をくつがえす驚きの調理法を次々と編み出します。「ずくだして作った大根だに、めた食べておくんない」みどり大根ならフライパンひとつでメインからデザートまで作れます!子どもから大人までみんなが喜ぶレシピが誕生します。

■フレンチの技で花開くとき

■フレンチの技で花開くとき

フレンチに合う日本の大根を探していた東京會舘 レストラン プルニエの調理長松本浩之シェフは、みどり大根の噂を聞き、信州上田の畑へ。畑一面に広がる緑のじゅうたんに目を輝かせます。「葉がおいしい大根は、下も美味しい」葉や根っこ、ふぞろいの小ぶりな大根もすべて生かしたいと、新作メニューの制作に取りかかります。フレンチの技で花ひらく「みどり大根」料理に、生産者の宮原さんは…?みどりの大根葉が香る至極のごちそうが生まれます。

取材先
制作担当

【ディレクター】伊藤 浩子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)