第797回『かぼちゃ』
9月14日放送予定
■秋に食べたいお袋の味“かぼちゃ”

■秋に食べたいお袋の味“かぼちゃ”
秋の気配とともに食べたくなる「かぼちゃ」。しっとりと甘く、どこか懐かしい味わいは、秋の家庭料理に欠かせません。
■浪江町の財産

■浪江町の財産
福島県浪江町出身の石井絹江さんが育てているのは「九重栗かぼちゃ」です。その名の通り栗のような甘さと、縦に切った時に切り口がハート型に見えるのが特徴です。浪江町の名産品にしようと町をあげて生産していましたが、東日本大震災によって避難を余儀なくされます。「浪江町の財産」という石井さんは、その味を絶やさないために、移住した福島市で栽培を続けています。浪江町で食べられていた懐かしの味は枝豆を混ぜたかぼちゃご飯。さらに「元祖かぼちゃ饅頭」を今、全国に向けて売り出しています。
■消えかけた幻のかぼちゃ

■消えかけた幻のかぼちゃ
会津の伝統野菜「小菊かぼちゃ」を育てているのは、江戸時代から続く農家の9代目・長谷川純一さんです。甘みの強い西洋かぼちゃに押され、素朴な味わいの小菊かぼちゃは30年ほど前からだんだん市場では見向きもされなくなります。周囲からも「まだ作っているのかと言われた」と振り返る長谷川さん。そして生産者もついに彼一人だけになってしまったのです。しかし、自分が作らなければ絶えてしまうと、小菊かぼちゃ復活にかける奮闘に密着します。
長谷川さんは販路を開拓する一方、後輩の育成にも奔走します。その結果、会津農林高校では4年前から実習で育てるようになり、若き農家の豊川庸平さんをはじめ、15軒もの農家が作るようになりました。
■かぼちゃに秘められた会津の歴史

■かぼちゃに秘められた会津の歴史
会津で今も語り継がれる戊辰戦争。幕末最後の内戦です。幕府への忠誠を貫く会津藩でしたが、最後は鶴ヶ城での籠城戦に追い込まれます。『戊辰後雑記』にはその時の籠城食が出てきます。「大豆、南瓜、いづれも…煮申し候。」実はこの「南瓜」こそ、長谷川さんが守り育ててきた小菊かぼちゃだったのです。長谷川さんは今年、9月に催される「会津まつり」で籠城食を再現して振る舞う計画をしています。小菊かぼちゃの魅力をより多くの人に知ってもらう絶好の機会です。当時の会津人に思いを馳せながら、一体どんな料理が出来上がるのでしょうか?
取材先
制作担当
【ディレクター】鴨下 満(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)





