第781回『山菜』
5月25日放送予定
■山のごちそう「山菜」

■山のごちそう「山菜」
雪深い奥羽山脈にようやく春が訪れました。厳しい冬の眠りから目覚め、山が一斉に芽吹きのときを迎えます。雪解けと共に顔を出すフキノトウ、タラの芽、コゴミ、ワラビ、山ウド、山ワサビ…芽吹いたばかりの山のいのちは、力強いエネルギーに満ちています。煮てよし、焼いてよし、揚げてよし、漬けてよし。山菜独特のほろ苦さやとろとろした粘りもたまりません。山の恵みを暮らしの糧とし、365日大切に食す岩手県西和賀町からとっておきの “山の幸”の物語をお届けします。
■匠の技

■匠の技
東京・銀座ミシュラン一つ星に選ばれた和食の店「栞庵やましろ」があります。新進気鋭の料理人・山城和彦さんは、山菜の季節を心待ちにしていました。「山の食材同士は、相性がいい」と、山菜とイノシシ肉で鍋を仕上げます。芽吹いたばかりの山の新芽は、しなやかなでシャキシャキ。爽やかな山の香りと脂ののったイノシシ肉が絶妙にとけあいます。春を彩る山城さんの匠の技が光ります。
■西和賀町の救世主!?

■西和賀町の救世主!?
山菜の産地・岩手県西和賀町。小田島薫さん(88)と義美さん(82)兄弟は、山菜採り名人。弟の義美さんは、82歳とは思えぬ身のこなしで急斜面を登り、山菜を摘みます。まさに、宝の山!一方、兄・薫さんは、山菜を休耕田で栽培しようと独学で研究を重ねてきました。山から山菜の根や株を移植するだけでなく、タネや胞子からも育てることを開発。気の遠くなるような研究の末、10年がかりでゼンマイやワラビの栽培法を確立しました。すると町長から特命が…!「ワラビを町の特産品にしたい」人口が激減し、高齢化する農家の起死回生をかけて「ワラビ栽培」を普及させたいというのです。しかし、それは苦悩の始まりでした。手塩にかけて育てたワラビ苗を町民に無料で配っても、植えてもらえないのです。いったいなぜ?それでも勉強会を続け、粘り強い努力の末、西和賀町の特産を確立しました。「西わらび」のブランド名を確立しました。今では、栽培農家は170軒に広がっています。「ワラビ」が町の救世主になった秘密に迫ります。
■師匠に贈る 感謝の山菜料理

■師匠に贈る 感謝の山菜料理
“山菜の神様”と称えられる小田島薫さんと出会い、人生が変わった地元の料理人がいます。鈴木智之さんは、毎日薫さんの山菜畑に通い、創作料理の店を開きました。「小田島さんのそばで1秒でも長く一緒に時間を過ごしたい、その生きざまにふれていたい」88歳という高齢にも関わらず、薫さんは黙々と畑に新たな山菜を植え、研究を続けています。日々、食材を提供してもらい、尊敬する山菜の師匠に、今こそ感謝の山菜料理を捧げたい。クロモジという木の枝を活かす技。いったい、どんな料理になるのでしょうか? 届けられた渾身の一皿に小田島さんは?
取材先
制作担当
【ディレクター】伊藤 浩子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)





