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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第775回『さくら鯛』

4月13日放送予定

■春らんまん!旬の“さくら鯛”

■春らんまん!旬の“さくら鯛”

桜の時期に旬を迎えるのが鯛。この時期に揚がる脂の乗った鯛は、産卵の為の婚姻色で赤色が濃くなることから“さくら鯛”と呼ばれ、昔からハレの日には欠かせないごちそうです。釣った鯛を皮ごとおろして湯引きにしてクセを取り、しゃぶしゃぶに。さらにそら豆など旬の食材と合わせれば、鯛との相性抜群です。ウロコも油でサッと揚げれば…鍋いっぱいに広がるその様子はまるで桜の花びらが舞い踊るよう。元号も令和に変わる節目、今回はそんなめで“たい”春を届けるさくら鯛の物語をお届けします。

■太公望が狙う“乗っ込み”鯛

■太公望が狙う“乗っ込み”鯛

神奈川県・三浦半島。相模湾では、春を待ちわびた太公望たちが“乗っ込み”鯛を狙います。“乗っ込み”とは、産卵期の魚が深場から浅瀬へと集まってくる産卵行動のこと。釣った魚をそのまま持ち込める地魚料理屋・かわかみの店主、川上守さんは桜色の身を薄く捌いて、姿造りを作ります。さらに地元のイタリアンでも、ワカメを刻んで和えたバターソースにモッツァレラチーズとさくら鯛を合わせる珍しい料理が味わえます。そして、相模湾を漁場にしている漁師も待ちかねていたのがさくら鯛。前日に仕掛けたローラーを巻き上げると…活きのいい鯛が姿を現しました!刺し網漁師の宮川聡さんが、掛かった鯛は一匹ずつ手作業で丁寧に外します。新鮮なものを見分けるポイントはアイシャドウだと言うのですが…一体どういうことなのでしょうか?

■さくら鯛に魅せられた仲良し夫婦の物語

■さくら鯛に魅せられた仲良し夫婦の物語

宮川さんは漁を終えたらすぐに水揚げをしますが、さくら鯛はセリにはかけず、自身が営む直売所へ向かいます。なんと鯛を干物にして商っているのです。鯛のウロコを取って背開きにしたら、内臓を取り出します。そしてここからが妻・良子さんの仕事。歯ブラシで丁寧に血合いを取り除いていきます。干物を売るのも良子さんの役目。仕事の合間には図鑑で魚の知識を深めるなど努めています。今ではなくてはならないパートナーですが、初めは仕事を手伝うとは思ってもみなかったそうです。実は宮川さん、刺し網漁師を始めてまだ10年。中古車販売の営業マンでしたが、漁師をしていた祖父に憧れて転身を決意。収入は激減し、漁師用語すら分からなかった彼は、周りと馴染むのに相当な時間がかかったと言います。未経験から一代で漁師になった宮川さん、一体どのようにして受け入れてもらったのでしょうか…?
宮川さんは初心を忘れない為に、毎年初物の鯛が獲れた時には必ず家族で食すと決めています。鯛を丸ごと醤油、みりんなどで煮付ければ、骨から出る旨味が良い出汁になり、身はホロホロ。夫婦二人で力を合わせてきた喜びの味は格別です。

■刺し網漁師が繋ぐ先輩から後輩へのバトン

■刺し網漁師が繋ぐ先輩から後輩へのバトン

宮川さんは衰退している沿岸漁業の未来を懸念し、漁師を志す人を対象に、積極的に漁業体験を受け入れています。この日、宮川さんの元を訪れたのは18歳の坂口源麿さん。今春から高知県の定置網船に乗ることが決まっていますが、いずれは刺し網漁師として独立したいと自ら願い出ました。あいにくの悪天候の中、憧れの刺し網漁に繰り出します!果たして、上手に魚を獲ることが出来るのでしょうか…?
宮川さんは刺し網漁師を志す坂口さんに、あるサプライズを用意していました。鯛に千枚通しで無数の穴をあけ、塩を馴染ませます。それをグリルで焼いて炊きあがる直前の米に乗せれば…鯛を骨まで味わい尽くすめでたい料理。先輩漁師からの門出の祝いに坂口さんの反応は?

取材先
制作担当

【ディレクター】鴨下 満(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)