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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第767回『フグ』

2月16日放送予定

■味覚の王様・フグ

■味覚の王様・フグ

東京・銀座では一風変わったラーメンが食べられると話題の店「ふぐだし潮 八代目けいすけ」があります。賑わう店内で客が頬張るのは“フグ出汁のラーメン”。スープはトラフグ、マフグ、白サバフグの3種に香味野菜を加えてじっくり8時間煮込み、さらには追い鰹ならぬ追いフグをして風味を際立たせるこだわりよう。また焼き石をスープの中に入れて炊込みご飯にかけて頂く“ふぐ茶漬け”も最高です!「中目黒 夢鉄砲」では部位によって異なる味付けが楽しめます。プリプリとした食感の上身はシンプルに米塩、ホルモンのように味わえるとうとう身は果実や野菜を合わせた特製醤油ダレで。さらに締まった身から肉汁が滴り落ちる程深い味わいのあら身はニンニクと米塩で召し上がれ!

■“あのりふぐ”の挑戦

■“あのりふぐ”の挑戦

今回の舞台は三重県安乗(あのり)。漁へ出る為の船が集まる午前2時。漁師・濱口松久さんは漁場に到着するとすぐに漁に取り掛かります。塩漬けしたアジやイワシを針に背がけにして海の中に流していきます。すると…釣れました!海水に揉まれて育った活きの良いトラフグ。安乗で獲れたトラフグは“あのりふぐ”と呼ばれ、700グラム以上でないと獲ることが出来ない貴重なフグ。昔からの言い伝えを守り、獲ってからも丁寧に下処理されます。生簀の中のフグ同士が噛んで互いを傷つけないよう歯を切る“歯切り”。さらに上手く泳げるよう注射器で空気を抜きます。このように徹底された品質管理の元、客たちへ届けられているのです。

■料理旅館がもてなすフグ三昧

■料理旅館がもてなすフグ三昧

「料理旅館・おおなみ」の浅井一磨さんは父と共に厨房に立ち、フグ料理に関する様々なことを学んでいます。父・強さんがひいているのは透き通る身が美しい“てっさ”。さらにこの旅館では“あのりふぐ”を客に味わい切ってもらう為、てっちりや白子フライ、バター焼きなど工夫を凝らしたフグのフルコースが味わえます。

■“あのりふぐ”に人生を捧げる漁師

■“あのりふぐ”に人生を捧げる漁師

漁師の浅井利一さんは安乗で獲れる美味しいフグを全国へ広めたいと様々な活動を続けています。三重県志摩のお膝元である伊勢神宮では毎年安乗で獲れたフグが奉納されています。しかしそこに行きつくまでは苦難の連続でした…今から約20年前、伊勢神宮へ大漁祈願の願いも込めてフグを奉納しようとしましたが、断念。浅井さんは「いつかは必ず奉納出来るように…」という思いを胸に、まず稚魚の放流事業を栽培漁業センターと開始。他の漁師へ呼びかけ、漁獲制限をして環境を整えていきました。さらに“あのりふぐ”を使うよう旅館も巻き込みます。すると徐々に評判になり、やっとの思いで奉納出来ることになりました。 それ以来、現在でも伊勢神宮へ奉納され続けています。

■地元の漁師へ…フレンチシェフが贈る感謝の一皿

■地元の漁師へ…フレンチシェフが贈る感謝の一皿

さて舞台は再び安乗の港。セリの様子を見学しているフレンチシェフ・樋口宏江さんは2016年に開催された伊勢志摩サミットで各国の首脳陣に料理を振舞い賞賛されました。普段から生産者の元へ出向いて思いを汲取り、それを料理に活かしています。今回は漁師の浅井さんにあのりふぐのそれぞれの部位の特徴や捌き方を教えて頂きます。オススメの部位はなんとクチバシ!?ゼラチン質で栄養が詰まったフグの口の部分です。樋口さんはクチバシに興味津々。ホテルへ戻りさっそく新作料理の試作に取り掛かります。浅井さんから教えてもらった“クチバシ”をヒントに一体どんなスペシャリテが仕上がるのでしょうか?

取材先
制作担当

【ディレクター】橋本 倫(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)