第753回『サツマイモ』
11月3日放送予定
■秋の味覚 サツマイモ

■秋の味覚 サツマイモ
秋の深まる11月。小江戸・川越には多くの観光客が訪れます。客の目当ては、おにぎり型の焼きいもに、大学いもを添えたいもソフト。そして、長い行列の先にある新名物のおさつチップ。そう、川越はサツマイモの街として、多くの人の注目を集めているのです。川越にはユニークな懐石料理のお店があります。名物は、“サツマイモのフルコース懐石”。「川越になくてはならない店を作りたかった」と話すのは店主の神山さんです。蒸したサツマイモを裏ごしして卵と合わせたサツマイモのソースを車海老や貝の小柱に合わせれば磯の香りとサツマイモの甘みが重なり合います。生のまますりおろして秋野菜と煮込めば、ポルトガルから伝わった南蛮料理“ヒカド”に。多彩な料理法でサツマイモの世界が広がっていきます。
■江戸時代から続くいも農家

■江戸時代から続くいも農家
川越いもの産地では今が収穫の最盛期。芋掘り機を操るのは、さつまいも農家の13代目・林将嗣(はやしまさし)さんです。「父親から受け継いだ伝統をこれからも守っていきたい」と話します。三芳町(みよしまち)では、畑の周りに平地林(へいちりん)と呼ばれる雑木林を育ててきました。畑仕事は冬に落ち葉を集めるところから始まります。集めた落ち葉は発酵させて、堆肥に。江戸時代から続く“落ち葉堆肥農法”です。伝統の農法から生まれたサツマイモはほくほくとした甘みで溢れます。そんなサツマイモで作る家庭料理を作ってくれるのは、将嗣さんの母、千郷さんです。皮ごと乱切りにしたサツマイモと豚肉、玉ねぎを炒めるこの料理。これって肉じゃがのご当地風?そして、人参のように赤い七福人参いもは、あんこにしてまんじゅうに!?農家ならではの郷土料理は素朴で味わいがあります。
■昔ながらの引き売り!

■昔ながらの引き売り!
埼玉県戸田市、ここには昔ながらの焼きいもの引き売りをする女性がいます。子供達の人気者、“いも子さん”こと村田洋子さん。大人気の秘密は、自ら育てたサツマイモです。「子供達が食べるものだから」と有機栽培で育てています。そんな手間ひまかけて作った焼きいもが、1本なんと300円だと言うのだから驚きです。「幼い時に、焼きいもが高くて買えなかった苦い思い出を子供達には味わってほしくない」と手頃な値段で販売しています。子供達に笑顔を届ける昔ながらの引き売り。これからも多くの人たちに愛されていくことでしょう。
■サツマイモがイタリアンに大変身

■サツマイモがイタリアンに大変身
川越のサツマイモが知られるようになったのは、理由があります。市内を流れる新河岸川は、江戸時代の交通路。舟にサツマイモを乗せて隅田川を下り、江戸と密接に繋がっていたのです。その終着点は浅草。ここから江戸の町へ広がって、評判を呼び川越のサツマイモの名がとどろいたのです。そんなサツマイモ文化が色濃く残る下町で店を営むのは、イタリアンの有馬邦明(ありまくにあき)シェフ。新作料理の主役に川越いもを使おうと考えていたのです。サツマイモ農家の林さんのもとを訪れ、極上のサツマイモを譲り受けて…。合わせるのは何とイノシシの肉!「実はある理由からイノシシとサツマイモは相性がとても良いんです」と話します。どんな理由があると言うのでしょうか?サツマイモとイノシシから生まれる新たな料理は必見です!
取材先
制作担当
【ディレクター】鴨下 満(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】太田 伸(テレビ朝日)





