第722回『駿河湾の魚』
3月31日放送
■世界が注目するスゴ腕の魚屋さん
■世界が注目するスゴ腕の魚屋さん
海の幸に恵まれる豊饒の海『駿河湾』。それに面する静岡県焼津市に、世界の名だたる料理人からも注目される魚屋さんがあります。『サスエ前田魚店(うおてん)』5代目・前田尚毅(まえだなおき)さん。熟練の目利きはもちろん驚きの技術で魚の旨味を引き出し、シェフの元へ送り届けます。その代表的な技術が『脱水』。おろしたヒラメの身に塩を打ち、立てかけると…なんと身が生きているかのように踊り出しました!実はこの技術で腐敗の原因となる余分な水分を抜き、旨味を凝縮させるのです。ただし、水分を抜き過ぎると旨味も逃してしまう恐れが!その加減の見極めこそが、魚を知り尽くした前田さんだからこそ成し得る技なのです!
■美味しい魚を食べさせたい!料理人と二人三脚で奮闘!
■美味しい魚を食べさせたい!料理人と二人三脚で奮闘!
前田さんは閉店後、『自分の魚がどう調理されているのか』確かめるために、取引先のレストランを訪れます。ある日訪れたのは、いまや日本一!との呼び声も高い天ぷらの名店『てんぷら成生(なるせ)』。前田さんの親友でもある店主・志村剛生(しむらたけお)さんといま夢中なのが駿河湾のアジ。天ぷらに馴染みのないアジ…その理由の一つが臭みが出やすい皮。しかし二人はあえて皮付きのまま揚げる事にこだわります。
試行錯誤の末、揚げ方の工夫により、絶妙な美味しさを引き出しました。
また、別の日に訪れたのは静岡の無国籍料理店『Simples(シンプルズ)』。その店主・井上靖彦(いのうえやすひこ)さんに前田さんはこの季節ならではの珍味、サバの白子を届けていました。一体どのような料理が生まれるのか、前田さんも興味津々です。
■駿河湾の魚が繋ぐ魚屋一家の絆
■駿河湾の魚が繋ぐ魚屋一家の絆
焼津のスゴ腕魚屋さん・前田さんの味の原点は『おふくろの味』。母・春代(はるよ)さんは「お客さんに美味しい魚を食べてもらい、家族は残った魚で料理を作り、子供達を育てた」と言います。そこで前田さんも大好きだという前田家の味を披露してもらいました。残りものの魚で簡単に作れる、魚屋さんならではの料理は必見。
『親が作った料理がこの世で最高の料理』と語る前田さん。一方で自らは魚一筋で家族との時間を充分に過ごせずにきました。しかしある日の閉店後、尾頭付きの豪華なちらし寿司を作る姿がありました。息子・博久(ひろひさ)君の高校卒業のお祝いだそうです。果たして息子さんは喜んでくれるのでしょうか?
■スゴ腕の魚屋さん×『Nipponキュイジーヌ』フレンチ
■スゴ腕の魚屋さん×『Nipponキュイジーヌ』フレンチ
東京・大手町にも前田さんの魚に魅了された料理人がいました。『星のや東京』の浜田統之(はまだのりゆき)料理長です。春の料理に向けて、焼津の前田さんの元を訪問。獲れたての魚に触れ、前田さんの技術も体感した浜田さん。東京に戻り早速料理に取りかかりました。そしてこの日、多くの魚から選んだのは、春に旬を迎えるマダイ。これに大根、そして焼津の海水(海洋深層水)を使い、独創的な料理に仕上げます。
取材先
制作担当
【ディレクター】樫出 浩行(ViViA)
【プロデューサー】鈴木 朗 (ViViA)
【プロデューサー】安田 裕史(テレビ朝日)