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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第679回『サワラ』

5月13日放送予定

■瀬戸内海のサワラ漁解禁!

■瀬戸内海のサワラ漁解禁!

今回の主役は、魚偏に春と書いて「鰆」。産卵のため瀬戸内海にやってくる今が旬!日本のサワラの約3割を消費する岡山県の市場には、各地から集められた選りすぐりのサワラが並びます。漁師に「鰆ぬ神に祟りなし」と言わしめるほど繊細で身割れしやすく、扱いが特に難しい魚。水揚げしてすぐに専用の箱に一本一本丁寧に入れられ、氷締めして運ばれます。そして4月20日、待ちに待った漁解禁日。港町・牛窓では、今年の大漁を祈る漁師・広田均さんの姿がありました。初物には漁の名人だった父が獲って4月27日の誕生日を祝ってくれたという思い出が重なります。今は亡き、父との思い出を胸にいよいよ漁場へ…。果たして初物のサワラは獲れるのでしょうか?今回は、瀬戸内のサワラの物語をひもときます。

■夏を乗り切る、幻のサワラ料理

■夏を乗り切る、幻のサワラ料理

古来、牛窓の沖にはサワラが押し寄せ、その群れが島のように見えたことから「魚島」と例えられたほど。豊漁を感謝し、獲れたサワラを神社に奉納する夏祈祷の風習が今も伝わっています。しかし、20年ほど前からサワラが高価になり、次第に別の魚で代用されるように…。牛窓神社の宮司・岡崎義弘さんは、あの頃、供えられたサワラで作った料理の味が忘れられません。それならば!と、ひと肌脱いだのは当時、料理を作っていた牛窓のお母さんたち。地域の絆をつなぐサワラの料理とは?

■隠してでも食べたい、岡山県人のサワラ愛

■隠してでも食べたい、岡山県人のサワラ愛

鰆文化が花開く岡山。スーパーには刺身に真子や白子まで、所狭しと並びます。老舗の福寿司で握っているのも、やっぱりサワラ!「岡山の人にとってサワラは美味しいと同時に一番位の高い魚。」と店主の窪田悟さん。古くは江戸時代、大名へ献上された品の中にも登場し、サゴシ(幼魚)からサワラに名をかえる出世魚として縁起が良いと、武士の間でも珍重されてきました。しかし、藩主・池田光政の「食膳は一汁一菜に限る」という倹約令により、人々は質素な暮らしを余儀なくされたのです。祭り事や祝いの席でも例外は許されない厳しい制約の中で、どうしてもサワラが食べたい!と生まれた伝統料理とは!?

■温故知新!和食とイタリアンの融合

■温故知新!和食とイタリアンの融合

岡山県の商業を支えてきた倉敷。こちらに一風変わったサワラの珍味があります。イタリアンレストラン“煉天地”。店の軒先で、何やら干しているのはオーナーシェフの松浦保信さん。イタリアではボッタルガと呼ばれる、その食材。日本では元々、サワラの真子から作られていました。シチリアと瀬戸内海の風土が非常に近いことに目を付けた松浦さん、研究を重ね、とうとうイタリアンとして現代によみがえらせました。先人の知恵を受け継ぎ、ますます進化するサワラの料理に目が離せません!

■サワラの駅弁に秘められた想い

■サワラの駅弁に秘められた想い

一方、岡山駅で人気を集めているのは駅弁“鰆寿司”。ふっくらした身が病み付きになると、リピーターが後を絶ちません。しかし、商品化に至るまでの道のりは決して平たんではありませんでした。身質が柔らかいサワラは身崩れしやすく、均一に火が通らなかったのです。開発者の三宅邦夫さんが明かす、その駅弁誕生秘話とは?さらに「強烈な岡山を印象付けたい!」と取り出したのは、なんと白米弁当!?そこには殿様をだましてでも食べたいと生まれた、あの郷土料理と深いつながりがあったのです。岡山のもてなしの心に隠された、サワラの秘密とは?

取材先
制作担当

【ディレクター】徳丸 あす香(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】安田 裕史(テレビ朝日)