第240回『花咲蟹(はなさきがに)』
9月6日放送
■北海道 根室より 秋を告げる花咲蟹
■北海道 根室より 秋を告げる花咲蟹
茹でるとまるで花が咲いたようにパッと赤く色づくことから名づけられた「花咲蟹」。国内では北海道 根室地方のみで水揚げされる貴重な蟹です。北太平洋~オホーツク海に棲む花咲蟹は夏から秋にかけてが旬。日本最東端の街 根室から一足早く、花咲蟹が運ぶ秋の便りをお届けします。花咲蟹の味の特徴は、なんといっても「濃厚な旨み」!北海道を代表するタラバガニ、ズワイガニ、毛ガニの中でも群を抜く旨みを持つ、知る人ぞ知るカニです。
■「濃厚な旨み」の理由は?流氷との意外な関係!?
■「濃厚な旨み」の理由は?流氷との意外な関係!?
冬、北海道に流れ着く流氷。実はこの流氷に、花咲蟹のおいしさの秘密があります。花咲蟹の別名は「コンブガニ」。昆布が好物なのです。流氷は豊富な栄養を運び、花咲蟹が育つ海の昆布やウニなどを育くんでくれていたのです。根室の郷土料理店“まるしめ” は、産地ならではの食べ方にこだわったお店。花咲蟹がフルコースになり、味わい尽くされています。新鮮な花咲蟹は刺身に。ゴボウと合わせた柳川風鍋は、ご主人 佐藤さんの一押しです。産地でも珍味中の珍味、外子で作る裏メニューも特別に教えていただきます!
■花咲蟹の光と影
■花咲蟹の光と影
根室で花咲蟹は「花が咲く」というめでたい名前から縁起物とされています。なんと、結婚式の披露宴でメインディッシュにも。過去には、乱獲によって激減を繰り返してきた花咲蟹。缶詰にされ、国策として大量に海外へ輸出されたのです。当時、加工に携わった根室の女工さん達が歌った労働歌「女工節」。辛い思い出を歌う一人の女工さんの人生から、花咲蟹の歴史を紐解きます。受難の歴史を乗り越えて、今、根室では世界でも貴重な、花咲蟹を保護する取り組みがはじまっています!
■東京でも味わえる!
■東京でも味わえる!
花咲蟹のおいしさに、いち早く注目した東京のシェフ達がいます。中華料理の世界では“グランドハイアット東京”で、上海蟹に負けない濃厚さが生かされています。紹興酒や四川風チリソースと出会い、豪快な一皿が生まれます。そして、フレンチの世界でも!“ラ・ロシェル”では、なんと花咲蟹の殻が濃厚なソースとして使われています。リゾット風ピラフのご飯にも花咲蟹の濃厚な旨みが染み込みます。東京で新たな料理として広がり続ける花咲蟹。極上、花咲蟹料理の数々をお楽しみに!
取材先
制作担当
【ディレクター】植田 裕久(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道 那須 恭子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)