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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第229回『城下かれい』

6月7日放送

■古くから親しまれてきた魚・カレイ

■古くから親しまれてきた魚・カレイ

カレイは日本で最も古くから食べられてきた魚のひとつです。平安時代に編まれた「和名類聚抄」にはカレイのことが「王餘魚」と記されています。これは中国の王様が食べ残した魚の片身を海に返したところ、元気よく泳ぎ出し、薄身の魚になったという故事からとったものです。今回番組では、味覚評論家・木下謙次郎も賞賛した「城下かれい」を取り上げます。冬の産卵を終えて、春から初夏にかけて最も美味しくなる季節到来です。

■豊の国・天下の美味「城下かれい」

■豊の国・天下の美味「城下かれい」

古来より「豊の国」と呼ばれ、豊かな海の幸に恵まれてきた大分県。ここで江戸時代、250両もの莫大な費用をかけて将軍に献上されていた魚が「城下かれい」です。現代のお金に換算すると、なんと約一千万円!豊臣秀吉の正室・北の政所の一族が城を構えていた、大分県日出町(ひじまち)には海に面した城のすぐ下に真水の湧く所が何箇所もあり、その近辺に生息するマコガレイは肉厚で臭みがなく、絶品。この別府湾の日出沖で獲れたものだけが「城下かれい」と呼ばれるのです。

■「城下かれい」を守るために

■「城下かれい」を守るために

近年、城下かれいの漁獲高は減っています。それを食い止めるために、大分県では40年前から稚魚の放流を始めましたが、思うように増えていきませんでした。今年、日出町ではある試みが始まっています。日出の宝「城下かれい」を守っていくための新たな試み・・・研究員の上城さんに密着します。かつて、文人・獅子文六が日出を訪れた際には「われ幻の魚を食いへり」・・・とも記した「城下かれい」。本当の「幻の魚」にならないように、その成功が期待されています。

■地元ならでは!料理の数々・・・

■地元ならでは!料理の数々・・・

地元で城下かれいを扱う店は、ほとんどが生簀を持っています。生簀からすくったばかりの新鮮な城下かれいが手早く調理されるのです。絶品の刺身には醤油ではなく秘伝のタレがありました。また日出町には、城下かれいのコース料理も珍しくありません。さまざまな調理法、また地元ならではのバリエーションをお楽しみください。また、別府にある冬がシーズンのふぐ料理店では、夏場は旬の「城下かれい」を余すところなく食べさせてくれます。湯の街・別府で大切に食べられてきた魚「城下かれい」を調理する料理人の知恵とは?!

取材先
制作担当

【ディレクター】吉井 みどり(ViViA)
【プロデューサー】加納 満(ViViA)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)