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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第226回『キビナゴ』

5月17日放送予定

■光輝くキビナゴ漁

■光輝くキビナゴ漁

美しい海岸線が続く鹿児島県・甑島(こしきじま)。黒潮の恵みを受ける漁業の島です。特産は「キビナゴ」。産卵を控えた5月、キビナゴ漁は活気づきます。体長15センチほどのキビナゴは「鮮度が命」。水からあげると、すぐに死んでしまうデリケートな魚です。甑島の漁師たちは、キビナゴを新鮮なまま食卓に届けるため、全力を尽くします。
漁は夜中3時に始まります。強力な電球を海に沈め、キビナゴが集まってくるのを待ちます。水面にキラキラと光る魚がキビナゴです。「海の宝石」と呼ばれるにふさわしい、美しさです。網で引き揚げた後は急いで氷漬けにして30キロ離れた串木野港まで全速力で運びます。キビナゴを新鮮なまま届けるためです。

■薩摩の郷土料理とキビナゴ

■薩摩の郷土料理とキビナゴ

鹿児島は郷土料理の宝庫。「とんこつ」「鶏飯」「薩摩揚」などが並ぶなかで、一際目立つのが「キビナゴの刺身」です。「酢味噌」をつけて食べるのが地元流。酢味噌の酸味と甘味がよく合います。臭みがなく淡白な味のキビナゴはどんな料理にも合います。
「焼く」「揚げる」とひと手間かければ、丸ごと一尾食べられるキビナゴ。カルシウムも豊富です。地元では「おから」と一緒に煮たり、「すき焼き」に入れたり、と様々な料理に使います。その土地に根付く「郷土の味」を紹介します。

■変幻自在・小魚の王様

■変幻自在・小魚の王様

その魅力はフレンチでも大活躍。「フリット」や「リゾット」など、キビナゴは思いもよらない料理に変身します。シェフは、家庭でもできるキビナゴ料理の極意を見せてくれました。また、甑島の漁師は、地元ならではの驚きの食べ方を教えてくれました。目の前で新鮮なキビナゴが獲れるからこそ、できるものです。キビナゴは変幻自在、小魚の王様。今回は豊富なバリエーションの料理を紹介。キビナゴの奥深い魅力に迫ります。

■キビナゴは何の味?!

■キビナゴは何の味?!

作家・向田邦子。少女時代を鹿児島で過ごした向田はエッセイの中で「鹿児島はなつかしい“故郷もどき”なのであろう」と書いています。鹿児島の料理を愛した向田。キビナゴの刺身を非常に好んで食べたといいます。エッセイの中でもキビナゴを「縦縞の入った美しい小魚」と表現し、愛情を注いでいます。
西伊豆で観光客に人気なのは「キビナゴの干物」です。丁寧に一尾一尾串に刺し、天日干しにします。女将は「初恋の味」といって客に振舞っています。そこには、ほろ苦い思い出が隠されていました。キビナゴは「初恋の味」「青春の味」そして郷土に根付く「故郷の味」です。

今週のおすすめレシピ

今週のおすすめレシピ

【きびなごのつけ揚げ(薩摩揚げ)】
鹿児島では「つけ揚げ」と呼ばれている薩摩揚げ。
きびなご漁師のご家庭レシピは、地元ならではの甘めの味付けです。
きびなごが手に入らない時はイワシなどでも代用出来ます。
揚げたてあつあつをお試しください!


《材料》(12個・3~4人分)
・ キビナゴ(手開きし骨をとったもの)・・・1kg
・ イカ・・・100g
・ 砂糖・・・170g
・ 塩・・・40g
・ 卵・・・1コ
・ みりん・・・少々

《作り方》
1. キビナゴを手開きして骨を取る。
2. フードプロセッサーまたはすり鉢を使い、キビナゴ・イカを潰す。
3. 砂糖・塩・みりん・タマゴを加え、さらに混ぜる。
4. 食べやすい大きさに形を整える。
5. 低めの油でしっかりと揚げれば、出来上がり。

取材先
制作担当

【ディレクター】森田 孝生(ViViA)
【プロデューサー】加納 満(ViViA)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)