第218回『油揚げ』
3月22日放送予定
■油揚げは、なぜ生まれたのか?

■油揚げは、なぜ生まれたのか?
油揚げは、室町時代に生まれたと言われます。でも、かつて油はとても高価なものでした。
庶民の食膳に油揚げが本格的に登場したのは、油が広く普及した江戸時代中期のこと。
煮物、焼き物、蒸し物、揚げ物、炊き込みご飯、きつねうどん・・・。油揚げは、ちょっと加えるだけで、料理の味わいに深い旨みを与えてくれます。でも、なぜ、この食材が生まれたのでしょうか? 考えてみると、とっても不思議。油で揚げる食材は幾らでもあります。なぜ豆腐だけが、特別に『油揚げ』と呼ばれ、親しまれてきたのでしょうか?
■形も、サイズもいろいろ・・・

■形も、サイズもいろいろ・・・
地域によって、呼び名も様々!お揚げさん、うすあげ、あぶらげ・・・。形も、関東は長方形ですが、関西、中国、四国、九州では、三角形や正方形のものもあります。中には、まるで厚揚げのような〝ジャンボ油揚げ〟もあります。カリッカリの香ばしいジャンボ油揚げ料理をお楽しみ下さい!老舗の豆腐屋さんを訪ねると、皆、夜中から仕事を始め、毎日、1枚1枚油揚げを手揚げで仕上げていました。白い生地は、一見、豆腐のようですが、豆腐とは大豆の煮方が違うのです。実は〝豆腐より、油揚げを作る方が遥かに難しい〟のだとか・・・。油で揚げた時、あくまでもしっかりのびて、膨らみ、ピンと張らなければ、良い油揚げとは言えないそうです。油揚げ1枚にも、職人たちの熱~いこだわりがありました。
■油揚げは、いわば、旨み調味料!

■油揚げは、いわば、旨み調味料!
菜種油でじっくり揚げた、黄金色の香ばしい「油揚げ」。中国にも油揚げはありますが、日本のように薄いものはありません。薄いからこそ、開いたり、袋状にしたり、料理のバリエーションが自在に広がりました。ダシ汁の吸収もよいので、煮物の具材に最適。直火で香ばしく焼いて醤油・ネギをのせれば、おかずになります!味噌汁にひとつまみ加えれば、グーンとおいしくなります。日本の食の歴史を振り返れば、和食の世界では長い間、油が使われていませんでした。そう・・・油揚げは、ニッポンのおふくろの味に大いなる旨みを与えた存在と言えます。料理人が油揚げの上手な使い方をそっと教えてくれました。
■油揚げが、庶民の命を救った!

■油揚げが、庶民の命を救った!
豆腐よりも長く保存ができて、栄養価も高い油揚げは、飢饉で苦しむ多くの人々の命を救ったと考えられています。天保年間の史料には、”油揚げは豆腐1丁を小さく18枚に切り、油で揚げたもの。5文と安価であった・・・”とあります。飢饉の時、飯の代わりにおからを油揚げに詰めた食べ物が江戸の屋台で大流行しました!下品な食べ物と言われながらも、庶民に支持され、国民的料理に発展したのがお稲荷さんなのです。
取材先
制作担当
【ディレクター】伊藤 浩子(ViViA)
【プロデューサー】加納 満(ViViA)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)





