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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第208回『セリ』

1月12日放送予定

■日本原産の春告げ野菜

■日本原産の春告げ野菜

セリは数少ない日本原産の野菜の一つで、もともとは湿地や水辺に自生する野草です。最も風味が良いのはなんといっても厳冬期!「万葉集」や「延喜式」などに歌や栽培の記録があるため、古くから日本人の食用とされていたことがわかります。また室町時代に成立した仏教説話集「三国伝記」には、聖徳太子と第一后膳夫姫(かしわでひめ)の出会いの中にセリが登場しています。セリにまつわる聖徳太子の恋物語とは?!

■東北と出雲へ・・・セリ紀行

■東北と出雲へ・・・セリ紀行

セリは日本全国ほとんどの地に点在することから、気候風土への適応性が高い野菜と言えます。そして現在は日本各地の湧水のある田で栽培が盛んです。特に東北地方では冬場の貴重な青物野菜として昔から栽培されてきました。秋田の冬と言えば「きりたんぽ鍋」この鍋に欠かせないのがセリです。秋田では真っ白に長く伸びた根が特徴の三関のセリを。一方、島根では松江藩主松平宣維(のぶずみ)が奨励し本格的に栽培が始まったとされる伝統の黒田セリを紹介します。

■なべ焼きの鴨とセリは二世の縁・・・

■なべ焼きの鴨とセリは二世の縁・・・

生きている時は水田で出会い、死んでからは鍋で出会うという縁をもつ鴨とセリ。昔から鴨のように野性味のある肉にはセリの風味が良く合うと一緒に食べられていたのだそうです。松江市内では、宍道湖でとれる豊かな食材を使った料理を提供しているお店と出会いました。鴨鍋の中にはセリが!骨も一緒に砕いて作る鴨肉団子と旬のセリ!故郷の味を大切にする料理人とともにセリの美味しさをお届けします。

■現代に残る七草粥の風習

■現代に残る七草粥の風習

ご存知セリは春の七草の一つ!正月の7日にいただく「七草粥」は、春の七草を入れた粥を食べる習慣で、平安時代中期に中国から伝わったもの。宮中で行われていたものが徐々に庶民へと広まったのだそうです。江戸時代には季節の変わり目に旬の植物から生命力をもらい邪気を払う、という目的で「五節句」なる日が定められ、宮中では神事や宴が催されていました。この五節句の一番目が1月7日で「人日の節句」といい、七草粥を食べるという風習だけが今に伝えられているのです。「良薬口に苦し」セリなどの七草はアクが強く、食べると苦いものが多いのですが、温かい粥に入れて苦味を和らげ、胃腸をすっきりとさせようという昔人の知恵でした。

取材先
制作担当

【ディレクター】吉井 みどり(ViViA)
【プロデューサー】加納 満(ViViA)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)