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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第204回『海老芋』

12月1日放送予定

■京都の伝統野菜、海老芋

■京都の伝統野菜、海老芋

エビの様な形をした里芋の一種、「海老芋」。江戸時代中期、青蓮院宮に仕えていた平野権太夫なる人物が長崎から京都に持ち帰り栽培したのが始まりといわれています。栽培の仕方はユニークで親芋として植えた芋に子芋がつき、更に孫芋が付いていきます。この時、親芋と子芋の間に土を盛ることで、その重みで海老のような形に生育するのです。今回は冬の伝統京野菜、海老芋を紹介していきます。

■文豪が愛した海老芋料理

■文豪が愛した海老芋料理

平野権太夫が開いた「いもぼう平野家本家」は美味しい海老芋を食べさせる老舗。「いもぼう」とは棒鱈と海老芋を一緒に炊き上げて作る京料理。北の魚と南の芋を合わせることから「出会いもん」とも呼ばれます。300年という長い歴史を持つ、平野家のいもぼうをこよなく愛したのが、文豪・川端康成です。彼は足繁く通ったこの店に一枚の書を残しています。「美味延年」。うまいものは長生きさせてくれるという意味だそうです。

■受け継がれる京都の海老芋作り

■受け継がれる京都の海老芋作り

戦後、西洋から沢山の野菜が入り、京都の海老芋農家が激減します。そんな中で、頑なに海老芋を守り続けてきた名人がいました。小山清さん、彼のお陰で京都の海老芋は危機を免れたのです。小山さんは、その秘伝の海老芋作りを、同じ農家の奥田さんに伝授しました。残念ながら、小山さんは今年の1月急逝しましたが、今度は、奥田さんが小山さんの娘夫婦にその方法を伝授し、その技術は、受け継がれています。そんな名人の海老芋に惚れ込んだ老舗料亭がありました。安政3年創業の「下鴨茶寮」。手塩にかけて育てられた海老芋に、料理人の技が磨きをかけます。一体、どんな海老芋料理が出来上がるのでしょうか?

■京都で見つけたフレンチ海老芋料理

■京都で見つけたフレンチ海老芋料理

地元の名店「エヴァンタイユ」。生粋の京都人であるシェフ森谷之雄さんは、京野菜・海老芋を使った特製フレンチを提供しています。海老芋にフォアグラを合せた前菜、そしてオマールエビとココナッツソースを海老芋に合せたメインディッシュ。贅沢なフレンチのコラボレーションです。

■西から東へ、広がる海老芋の魅力

■西から東へ、広がる海老芋の魅力

今では東京でも海老芋をじっくりと堪能できるお店があります。「京料理 八平」。「海老芋の西京煮」は、餅と白味噌に、海老芋を炊き合わせ、京都の雑煮風に仕上げた一品。海老芋のねっとりとした食感とコクのある旨みが口の中に広がります。

取材先
制作担当

【ディレクター】吉井 みどり(ViViA)
【プロデューサー】加納 満(ViViA)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)