食彩の王国 食彩の王国

毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第203回『はぜ』

11月24日放送予定

■お江戸の風流

■お江戸の風流

秋になると江戸っ子が妙に食べたくなる魚がありました。「はぜ」です。晩秋、産卵直前で脂がのったはぜは、今が旬!また、江戸の人々は“はぜ釣り”も楽しみにしていたそうです。屋形船に乗って、江戸の風流をみつけに..はぜを釣る光景は現在でも変わらずに続いていました。知られざる魚、江戸前の「はぜ」は、ひょうきんで、とってもかわいい顔をしているんですよ。今回は、江戸前の晩秋を彩る魚「はぜ」の歴史を紐解く旅へ出かけます。

■和の味を育んだ はぜ

■和の味を育んだ はぜ

江戸時代の人々も食べた味・・身が踊るように揚がっているのは“はぜの天ぷら”です。浅草生まれの江戸っ子、作家の池波正太郎さんも通った天ぷら屋を訪ねます。目の前でサックリと旨み引き出し揚がる、はぜの天ぷら。天ぷら一筋41年 熟練の腕を持つご主人の職人技を見せていただきます。はぜの天ぷらを粋に食べる、これもまた秋の風流です。
和の味を生みだしてきた江戸時代、はぜは江戸の台所を支えた味でした。
東京のある島の人々によってはぜは保存食となり、ご飯のおともに欠かせないものとなりました。発祥の島の名前は“佃島”..今でも庶民に親しまれているある保存食とは?

■はぜはおめでたい!

■はぜはおめでたい!

普段の食卓から、おめでたい席まで食べられるはぜ。お正月、おせち料理に欠かせないのが“はぜの甘露煮”です。かつては昆布巻きとしても縁起をかつぎ食べられてきました。おめでたい食材として、はぜがおせちに欠かせないのも理由があってこそ。骨まで柔らかく、薫り高く味わえるはぜに、日本人は願いを込めていたのです。さて、その願いとは?

■幻のはぜ料理

■幻のはぜ料理

かつて江戸で食べられた雑煮のダシに“焼きはぜ”が使われていたそうです。今では東京で見られなくなってしまった、この焼きはぜとは?現代、宮城県の地にまだ残されていました。
伝承の味を大切に守っているのは、宮城県 石巻市 長面浦の榊さんご夫婦です。早朝、はぜ漁から戻ると仕掛けた網からはぜを素早く外し、作業場へ。活きの良いうちに串に打ち、囲炉裏で焼きます。焼いたはぜを縄でむすんで天井に干し1週間、燻しながら乾燥させると..幻の“焼きはぜ”の完成です。“仙台雑煮”のダシとして、今でもはぜは宮城の地では無くてはならない食材です。
歴史と共に、それぞれの土地で暮らしを彩ってくれた魚「はぜ」の世界を、存分にご堪能下さい!

取材先
制作担当

【ディレクター】下高呂 佳子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道 那須 恭子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)