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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第160回『真鱈』

1月20日放送予定

■魚+雪=鱈(たら)

■魚+雪=鱈(たら)

寒い冬、あったかい鍋に入っていると嬉しいタラ。
漢字で魚偏に雪と表すタラは、その字のごとく、雪とともに旬を迎えてやってきます。今回は、鱈腹食べたい鱈の魅力をたっぷりとお届けします。

鱈のくる町 脇野沢

鱈のくる町 脇野沢

青森県下北半島――そこには、鱈料理を囲んで厳しい北国の冬を越す、昔と変わらぬ人々の姿がありました。
冬、雪に覆われる青森市脇野沢は“鱈のくる町”と呼ばれ、続々と大きな鱈が揚がります。初めて獲れた鱈は、神棚に供えて恵に感謝するのが習慣です。
地元では鱈丸ごと一本、余すことなく食べ尽くすのが鱈料理の醍醐味だといいます。
その淡白な身は、煮てよし、焼いてよし、そして、産地でしか味わえない新鮮な刺身の美味しさもまた然り。
しかし、鱈の魅力は身だけではありません!この時季、人気なのが太った白子や真子。そして、本当の鱈を味わうのなら、肝心な部分をお忘れなく。厳しい寒さを乗り切るための栄養がたっぷりと含まれ、味の決め手となるのですが……さてこの部分とは?!

京の都の名物料理

京の都の名物料理

今は昔、生魚を食べられない土地の人々に届けられ、鱈の美味しさを各地に広めた保存法がありました。鱈の身を、乾いた寒風で干して作る鱈“棒鱈”です。
中でも、鱈の美味しさの虜になったのは、味にこだわる京の都人でした。京都には、以来、棒鱈を使った料理が伝統となりました。その名も“いもぼう”。棒鱈と、海老芋を炊き合わせた、300年前から伝わる京料理です。
それにしても、なぜ、北国から遠く離れた京都の名物料理に、鱈が使われるようになったのでしょう?

鱈をめぐって……

鱈をめぐって……

日本だけでなく、世界各地には様々な鱈料理があります。ヨーロッパでは、鱈は無くてはならない大切な食材。漁師の体を温めるチャウダーや、労働者の腹を満たすフィッシュ&チップスに、鱈は欠かせません。その漁業権をめぐって、かつてイギリスとアイスランドとの間では、戦争が勃発してしまうほどでした。
人々の活力源として貴重な食材である鱈。そんな鱈の魅力にひきつけられた、人々の歴史を紐解きます。

今週のおすすめレシピ

今週のおすすめレシピ

【棒だらと海老芋の炊き合わせ】
京都の御節にも欠かせない棒鱈料理「棒だらと海老芋の炊き合わせ」。番組でご紹介した平野家さんの味は、一子相伝の秘伝なのですが、家庭でも手軽に出来る「棒だらと海老芋の炊き合わせ」の作り方をご紹介します。

<材料(4人前)>
海老芋    8個位
棒鱈(乾燥) 150g
だし汁    200㏄
酒      100cc
みりん    50cc
濃口醤油   40cc
砂糖     大さじ2     
※調味料はお好みによって調整してください。

(1)棒ダラを7~10日間かけてたっぷりの水で戻します。水は毎日取り替えます。また、温度が高くなりすぎると臭みが出てしまうため、氷を入れたり冷蔵庫にいれるなどして調節してください。
(2)ほどよく戻ったところで適当な大きさに切り、一度下湯がきします。
(3)海老芋は皮を厚めにむいて水にさらします。
鍋に海老芋とかぶる位の水、塩少々を加えてゆでこぼし、水にさらして、ぬめりを取ります。
(4)だし汁と酒にやわらかく戻った棒鱈を入れ、中火で煮ます。
(5)煮汁の量が半分くらいになったら、海老芋と残りの調味料を加えて、弱火で煮込み、煮汁がほとんどなくなるまで煮詰めます。

*ポイント*
棒鱈は、よく乾燥したクリーム色のものが良質で炊いたときも美味しく仕上がります。茶色のものは油焼けしているので避けます。

取材先
制作担当

【ディレクター】下高呂 佳子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道 那須 恭子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)