食彩の王国 食彩の王国

毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第150回『レモン』

10月28日放送予定

★世界が恋した黄金の果実!

★世界が恋した黄金の果実!

美しく光輝くレモン。爽やかな清々しい香りを放ち、私たちをうっとりさせます。あふれでるみずみずしい果汁は、ビタミンCたっぷりの天然ビネガー!刺激的な酸味は、肉や魚介、野菜にちょっとしぼるだけで食材を潤し、味を引き締め、料理を極上の味わいに仕立ててくれます。レモンの魔法の雫は、世界中の人々を魅了し、各国にとりこまれていきました。世界をかけ巡った壮大な『レモンの物語』をつづります。

★神様がくれた生命の水

★神様がくれた生命の水

レモンの生まれ故郷は、インドのヒマラヤ山麓。今から4600年も昔のインダス文明辺りが起源だと言います。熱い南国生まれのレモンは、四季咲きで1年中、豊かな実りをつけ、なんと1本の木からおよそ150個もの実がとれます。レモンが愛された理由…それは、この豊かな実りと収穫後も日持ちするレモンの生命のチカラにあります。古くから病気に打ち勝つ薬として注目され、大航海時代は、船乗りの欠かせない積荷となって、多くの人々を「壊血病」から救います。コロンブスもレモンをかじり、長期間の航海を乗り切り、新大陸にレモンをもたらしたと言います。

★レモンがつむぎだす世界の食卓

★レモンがつむぎだす世界の食卓

レモンがなかったら…世界中の料理の味が変わってしまうでしょう。インドでは塩につぐ調味料としてふんだんに利用されます。世界三大スープのひとつタイ料理の「トムヤムクン」もレモンがなければ完成しません。過酷な自然環境で生きるイランの人々は、レモンを愛するあまり、なんと乾燥させて1年中食べられる方法を編み出しました。気品あふれるレモン風味のイラン料理をご堪能下さい。スペインの食卓では、レモンが山盛りになった皿がおかれます。レモンをこよなく愛するイタリアでは、前菜からメイン、デザートまでレモンが活躍します。

★レモンに憧れた男!

★レモンに憧れた男!

日本のレモン栽培は、明治の末期、瀬戸内の島々で広がりました。しかし、南国生まれのレモンは、ただ大地に根づかせるだけではおいしい果汁をしぼることはできません。昭和39年、レモンの輸入自由化を境に、日本のレモン栽培は安い輸入レモンに太刀打ちできず、瀬戸内からレモンの木は消えていきました。ところが数年後、ひとりの男が愛媛県の岩城島におりたちます。「幼いころからレモンに憧れていた。かじってみたかった!」レモンに恋焦がれる男の純粋な想いが、日本の国産レモンを復活の道へと導きます。レモンに賭ける人々の明るい笑顔を『青いレモンの島』で追いかけました。

★高村光太郎「レモン哀歌」

★高村光太郎「レモン哀歌」

10月5日。東京品川区ゼームス坂。篠突く雨の先に、ひっそりと静かに石碑がたっていました。「レモン哀歌の碑」。ここは、彫刻家であり詩人であった高村光太郎の最愛の女性・智恵子がこの世を去った終焉の地。彼女の最後の瞬間を詠んだ鮮烈な詩が刻まれています。西洋で芸術を学んだ光太郎と智恵子の暮らしにはレモンを巡る「愛の物語」が隠されていました。高村光太郎の甥・高村規さんが貴重な秘話を語ります。

取材先
制作担当

【ディレクター】伊藤 浩子(ViViA)
【プロデューサー】加納 満(ViViA)
【プロデューサー】高階 秀之(テレビ朝日)