第125回『鰆』
4月29日放送予定
★鰆ぬ神に祟りなし！箱入り娘 鰆の魅力
★鰆ぬ神に祟りなし！箱入り娘 鰆の魅力
鰆は非常に扱いが難しい魚。水分が多く身が柔らかいので、少し触っただけでも身割れしてしまうのです。魚河岸でも一匹ずつ箱に入れて取り扱われ、箱から出すときはそっと赤ちゃんを抱くように抱えて運ばれます。スマートな体にツンとした顔。でも、ちょっと触っただけでも傷ついてしまう繊細な箱入り娘。人々を虜にするその上品な味と色艶、今回はそんな鰆の魅力に迫ります。
★瀬戸内に春を告げる鰆
★瀬戸内に春を告げる鰆
「瀬戸の海や 浪をもろともにくろぐろと い群れてくだる 春の鰆は」歌人 若山牧水の歌です。春になると、鰆は産卵の為に暖かな瀬戸内海に集まってきます。その昔、大群で押し寄せる鰆が小島のように見えたことから「魚島」と呼ばれ、人々はこの時期に旬を迎える鰆を心待ちにしてきました。魚偏に春と書かれる鰆。瀬戸内海沿岸では、鰆は春を告げる祝い魚として珍重され、古くから人々の生活に密着してきたのです。
★鰆の刺身は皿までなめる！岡山の鰆文化
★鰆の刺身は皿までなめる！岡山の鰆文化
中でも岡山の人々にとって鰆は日々の食卓に欠かせない食材です。岡山では刺身と言えば鰆、鰆と言えば刺身、と言われるように古くから独特の鰆文化が育まれてきました。扱いが難しく鮮度落ちの早い鰆ですが、丁寧に丁寧に扱われた鰆の刺身は格別。「鰆の刺身は皿までなめる」と言われるように、旨味が凝縮した鰆の刺身は岡山の人々の誇りなのだとか。刺身だけではありません。全国各地から一級品の鰆が集まってくる鰆の大消費地・岡山の鰆料理をご堪能あれ！
★愛媛県新居浜市 真心に育まれた鰆料理
★愛媛県新居浜市 真心に育まれた鰆料理
鰆漁の盛んな愛媛県新居浜市。鰆が沢山獲れた時は大漁旗が上げられ、町は一気に活気づきます。歩留まりが良い鰆は一匹で沢山の料理ができる重宝な魚。かつて新居浜にあった豆年貢という風習でも一本の鰆で数々の料理が供されたそうです。嫁が元気でまめに働いた謝礼に、夫婦同伴で鰆を持って嫁の実家に帰り、実家では一本の鰆で沢山の料理を作り夫婦に振舞ったのだとか。真心込めて作れられる鰆のおもてなし料理。一体どんなものなのでしょうか？
★鰆×京都の白味噌＝西京漬けの誕生
★鰆×京都の白味噌＝西京漬けの誕生
沢山獲れた鰆を保存して長く食べる知恵・味噌漬け。それが京都の食文化と相まって西京漬けが生まれました。決定的な役割を果たしたのが京都の白味噌。宮廷文化の中で育まれてきたこの白味噌は、保存という側面よりも味が重視され、塩分が低く米麹をふんだんに使った甘い味噌でした。実は調味料としての役割を果たしてきたこの白味噌に魚を漬けて出来たのが西京漬けなのです。それにしても、何故この西京漬けがこれ程親しまれるようになったのでしょうか？その謎は西京という言葉にありました。
取材先
制作担当
【ディレクター】椎葉 百合子（テレビマンユニオン)
【プロデューサー】土橋 正道、那須 恭子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】高階秀之（テレビ朝日）
