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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第124回『和牛』

4月22日放送予定

★幻の和牛

★幻の和牛

「ビーフステーキ」。牛肉の本領は焼いたときの圧倒的なうま味にあります。特に霜降り肉で知られる「和牛」の食感は世界にも類がありません。20世紀を代表するオペラ歌手のマリア・カラスが来日の際、初めて和牛を食べて思わず口にした言葉「この世のものとは思えない」。
川崎の創作料理店に4ヶ月ぶりに、ある銘柄牛が到着しました。
山口県産「見島牛 (みしまうし)」。朝鮮半島から渡来した和牛の原型を留める唯一の在来種で年間12頭だけ市場に出ます。萩から44キロメートル、日本海の沖にある見島の特産で、厳しい生活環境が粗食に耐え、筋肉に脂肪を蓄える独特の形質をつくりあげました。肥育するとあの霜降り肉となり、それは現在の和牛を代表する品種「黒毛和種(くろげわしゅ)」にも受け継がれているのです。

★牛鍋から肉じゃがへ

★牛鍋から肉じゃがへ

仏教伝来で殺生が戒められ、さらに天武天皇による牛や馬などの肉食禁止令が出された日本、なんと千年の長きに渡って肉食はタブー視されてきました。それが解禁となったのは明治時代。天皇自身が牛肉を食べた(明治5年)ことで弾みがつき、「牛鍋食わねば、開けぬ奴」とまで言われた「牛鍋」は文明開化のシンボルとなります。さらに牛肉が一般に普及するのに最も貢献したのは軍隊でした。欧米列強に負けない体格を作るべく肉食が奨励され、日清・日露の戦いによって多くの国民が牛肉の味を覚えたのです。おふくろの味「肉じゃが」も、実は海軍の厨房で試行錯誤の末に出来上がった「男の料理」でした。

★神戸ビーフ

★神戸ビーフ

明治時代の神戸。日本を訪れた外国人の間で評判を呼んだのが和牛でした。肉食文化の浅い日本になぜこんな美味しい牛肉があるのか?彼らは驚きを込めてこう呼びました「神戸ビーフ」。そもそも港で荷役用に使っていた「但馬牛(たじまうし)」を供したのだといいます。
兵庫県北部但馬地方に点在する集落が、今も神戸ビーフなど和牛づくりの拠点です。昔から牛を一家の働き手として大事に飼ってきた土地柄。代々牛を飼ってきた中村家では人の子を育てるのと変わらない愛情を注ぎます。人間の戸籍同様の「牛籍」もあり、その系譜は記録が始まった明治31年までたどれます。まさに「牛のサラブレット」。子牛は9ヶ月でセリに出され、各地で肥育され有名ブランド牛となるのです。

★文豪のレストラン

★文豪のレストラン

昭和7年、神戸。作家の谷崎潤一郎は、かねてより想いを寄せていた女性に手紙を書きました。その待ち合わせに選んだのが、この年に開店した「ハイウエイ」。輝かしい未来に続く道という願いを込めて谷崎が命名したといいます。食通として知られる谷崎潤一郎は、特に牛肉を好みました。牛肉ならそれはヒレ肉で、真ん中、最上のテンダーロイン。料理はステーキと決まっていました。この店のレシピは谷崎が通っていた70年前と変わりません。そして晩年、体調を崩した谷崎がわざわざ京都まで運ばせたという料理も…

取材先
制作担当

【ディレクター】林 英幸(ViViA)
【プロデューサー】加納 満 (ViViA)
【プロデューサー】高階秀之(テレビ朝日)