第122回『ホタルイカ』
4月8日放送予定
★宝石よりも、星屑よりも・・・

★宝石よりも、星屑よりも・・・
春の夜、富山湾だけに群雄して押し寄せる不思議なイカがいます。名前は「ホタルイカ」。真っ暗闇の海中に、突如浮かび上がり、億万という数の青白い光を放ちます。それは高価な宝石サファイアよりも美しく、夜空に瞬く星屑よりもまばゆい命の輝き。いったいなぜ、彼らはこの海だけに姿を見せるのか? いったいなぜ、そんなにも美しく光り輝くのか? 見るものを虜にするホタルイカの光の幻想を追いました。
★小さな体に美味満載!

★小さな体に美味満載!
ホタルイカは、サッと湯通しして酢味噌でいただくと、柔らかくてむっちりとした独特の甘みが口に広がります。ふっくらした赤ワタ(肝臓)は、マグロのトロにもひけをとらない逸品。甘露煮、黒作り、塩辛、串焼き、釜あげ、炊き込みご飯、昆布巻き…、ホタルイカの足だけ使った刺身「竜宮そうめん」は、ツルツル・・・とみずみずしい新鮮なままを味わえる地元ならではの贅沢な珍味です。食材豊富な地元ならではの郷土の味から、新たなる料理まで、ホタルイカの美味をご紹介します。
★漆黒の海にくりだす漁師たち

★漆黒の海にくりだす漁師たち
「世界中どこを探しても、こんなに美しい光が見られる場所は、富山湾をおいてない・・・」地元の人にとってホタルイカは誇り。毎年毎年その来遊を待ちわびてきました。漁師は、春になると姿を見せるこのイカを≪龍宮城の使者≫と呼び、深い敬意を表しながら、3月から6月の中旬まで漁を行います。降りしきる雨に打たれながら、もくもくと網を手繰る漁師たちの姿…。漁のおこぼれを狙ってやってくるカモメの大群!!ホタルイカが群雄する富山湾ならではの定置網漁に密着しました。
★ホタルの10倍の光!

★ホタルの10倍の光!
地元では、古くから食されていたものの、発育段階の単なる「小イカ」と思われ、ホタルイカは、長年畑の肥料にもされていました。ところが、明治38年・・・ひとりの動物学者の熱い想いがホタルイカの運命を変えます。「これは日本近海にのみ生息する希少生物ではないか!」電燈も普及していない石油ランプ全盛の時代、水中で強烈な光りを放つその輝きは衝撃だったに違いありません。「ホタルイカ」と命名されるに至った秘話をお届けします。
★龍宮の提灯見せよ蛍烏賊 (詩人:佐藤惣之助)

★龍宮の提灯見せよ蛍烏賊 (詩人:佐藤惣之助)
ホタルイカの王国、富山県の滑川には、皇族を始め、学者、政治家、著名人らが続々とつめかけました。なぜこの時期、この海だけに光をだすイカがやってくるのか?研究の末、産卵のためにやってくるホタルイカの謎は、今少しずつ解き明かされようとしています。世界的にも例がない、富山湾のホタルイカ群遊海面は、特別天然記念物に指定されています。
取材先
制作担当
【ディレクター】伊藤浩子(ViViA)
【プロデューサー】加納 満 (ViViA)
【プロデューサー】高階秀之(テレビ朝日)





