食彩の王国 食彩の王国

毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

過去の放送

第116回『菜の花』

2月25日放送予定

★菜の花前線北上中

★菜の花前線北上中

桜より一足早い2月中旬、「菜の花前線」は日本列島を北上、春の訪れを告げます。
「菜の花」とはアブラナ科の植物の総称で大根・白菜・カブ・野沢菜などは仲間です。
かつては種子から「菜種油」を採るため水田の裏作として広く栽培されていました。
黄色い花が一面に咲く田園風景は見る者を懐かしいふるさとの春へと誘います。
野菜として流通するのは昭和になってから。

★春を呼ぶ緑黄色野菜

★春を呼ぶ緑黄色野菜

菜の花のつぼみ「菜花(なばな)」はビタミン豊富な緑黄色野菜。若返り効果のある抗酸化成分や健康を保つために必要な栄養素がバランス良く含まれています。春のいぶきが感じられる特有のほろ苦さ…和食の料理人にとっても菜の花は大事な食材。春の魚にあわせると鮮やかに旬を伝える一皿となります。イタリア料理でもチーマ・ディ・ラーパと呼ばれる菜の花が春の食卓を彩ります。

★菜の花の明かり

★菜の花の明かり

菜の花の種「ナタネ」に人類が注目したのは実に紀元前のこと。日本には奈良時代に中国から伝わりました。江戸時代には搾油技術の向上によって量産されるようになり、灯火用として魚油に取って代わります。春の夕べ、一面に植えられた菜の花畑は太陽にも月にも増して輝いて見えました。
「菜の花や 月は東に日は西に」   与謝蕪村
明るく長くなった夜のおかげで江戸の文化は爛熟していったのです。

★日本人の揚げ物好きとナタネ油

★日本人の揚げ物好きとナタネ油

石油ランプの世となっても、食用油としてのナタネ油の需要は益々高まりました。
「菜の花畑に入り日薄れ…」      小学校唱歌「おぼろ月夜」(大正3年)
日本の揚げ物料理は、この菜種油の増産によって普及したといいます。しかし、昭和30年代には大豆油が主流となり、ナタネ油の原料も輸入ものが大半を占め、国内の菜の花畑は姿を消していきました。現在、油用には青森・鹿児島で栽培されるだけです。昔からの製油所や油にこだわる店が、国産ナタネ油の灯を守っています。

★農家直伝菜の花料理

★農家直伝菜の花料理

日本有数の菜の花の生産地、千葉県南房総。ひなまつり頃が出荷の最盛期です。ここで農家直伝の簡単レシピをご紹介。和え物、炒め物、天ぷら、ナバナご飯…ほろ苦さに春の目覚めを感じます。

取材先
制作担当

【ディレクター】林 英幸(ViViA)
【プロデューサー】加納 満(ViViA)
【プロデューサー】高階秀之(テレビ朝日)