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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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過去の放送

第96回 『カワハギ』

9月17日放送予定

★鳴らない口笛吹いているカワハギ坊やを今日もみたふしぎにさみしい顔をみた
(詩人 サトウハチロー)


一度見たら、きっと虜になってしまう…。
キョロキョロとしたつぶらな瞳、つぼめた愛らしいおちょぼぐち。背びれを巧みに波立たせ、まるでヘリコプターのホバリングのように岩礁をひらひらと漂う様は、海中を舞う蝶々。カワハギはフグの仲間。回遊魚と全く異なる進化をとげ、その独特な姿を残した。うすく平べったい魚体。鎧のように硬くざらついた皮。頭には鋭いトゲ。孤独に生きる術をその姿が物語っている。

★絶品!!海のフォアグラ

★絶品!!海のフォアグラ

秋から寒い冬にかけ、水温が下がるほどに旨さを増す極上の魚。
プリプリと引き締まった身はフグよりおいしく、体に蓄えた濃厚な肝はアンコウの肝より美味とは知る人ぞ知る。その肝を醤油に溶いた肝ダレで味わう刺身は、舌がとろける。野菜と鍋で煮込み、身、肝、骨、カワハギの全てをしゃぶりつくせば、至福の喜びに包まれる。焼く、蒸す、燻す、揚げる…料理人の腕が鳴る魚である。

★顔なしの魚

★顔なしの魚

カワハギは、日本各地の沿岸に棲息するが、鮮度落ちが早いため、冷蔵技術のない昔は浜に住む漁師たちだけが旨さを知っていた。【皮を剥いで取り除く】という調理の技法がそのまま呼び名となった珍しい魚だが、実はカワハギには100以上もの俗称があった。水揚げされるとすぐさま皮を剥かれるカワハギ・・・そして、多くの呼び名が各地で生まれた。「丸ハゲ、バクチ、スブタ…」残された多くの呼び名は、それだけ愛された証であろう。

★京都に残る伝統カワハギ漁

★京都に残る伝統カワハギ漁

京都府舞鶴市小橋、ここに代々伝わる漁法にこだわり、カワハギを追う名人がいる。この地では、カワハギを「コグリ」と呼び、伝統漁法「こぐり引き漁」の極意を記した文書が名人の家には大切に残されていた。380年の時を経て今に伝わる技と心。燻された醤油の香りがなんとも香ばしい素朴な「みりん干し」と、ふっくらと太った肝がグツグツと踊る「水炊き」。新鮮なカワハギが食せるこの地ならではの味わいに出逢った。

★カワハギは問題児!?

★カワハギは問題児!?

丹後半島の先端、京都府伊根町は、湾に沿って舟屋と呼ばれる住居が200余りも軒を連ね、古くからブリ漁で栄えた港町。ここでは、カワハギは大変な問題児だとか…。いったいなぜ??

★一度やったらやめられない! 魅惑のカワハギ釣り

★一度やったらやめられない! 魅惑のカワハギ釣り

「エサとり名人」の異名をもつカワハギは、釣り人を熱くさせる魚としても名高い。エサを見つけると、鋭い歯で器用にかじりついて、たちまち食べてしまい、針が海底に着いた時には“すでにエサはない”と言われるほど!竿は釣り人の手。その先に伸びるたった1本の糸だけが、見えない海の下のカワハギと釣り人を結ぶ。いつかかるとも知れぬ緊張の中、カワハギとの心理的駆け引きに勝ったとき,釣り人は無上の喜びに包まれるのである。

今週のおすすめレシピ

今週のおすすめレシピ

【カワハギの姿煮】
プリプリと引き締まった身と舌の上でとろける濃厚な肝。
姿煮は、ほほ肉、エンガワ、とカワハギのすべてを味わえます

材料(2人分):水・・・・・・・200cc
砂糖・・・・・・大さじ3
しょう油・・・・大さじ4
酒・・・・・・・大さじ4


1.カワハギは皮を剥ぎ、肝をつぶさないようにわたを取り除く。
2.鍋にカワハギを入れ、水、砂糖、しょう油、酒を入れる。
3.落としぶたをして、弱火で煮汁が半分くらいになるまで煮れば出来上がり。

取材先
制作担当

【ディレクター】伊藤浩子(ViViA)
【プロデューサー】加納 満 (ViViA)
【プロデューサー】高階秀之(テレビ朝日)