第94回 『毛蟹』
8月27日放送予定
★オホーツクの毛ガニ漁に密着

★オホーツクの毛ガニ漁に密着
オホーツクの漁港・雄武町では、夏の盛り、毛ガニ漁が最高潮を迎えます。漁場は沖合い20キロ。深さ60メートルから100メートルの深海に棲む毛ガニは漁業技術が発達する近年まで人々に知られる食材ではありませんでした。この日は大漁でした。カニカゴと呼ばれる仕掛け一つに20~40杯もの毛ガ二が入っています。しかし、北海道の漁業規則で甲長8センチ以下のもの、そしてメスガ二はすべて海に返さねばなりません。一つ一つを選別し型の良いものだけを出荷するのです。
★雄武町の毛ガニ料理をご紹介

★雄武町の毛ガニ料理をご紹介
旬の毛ガニを地元ではどう食しているのか、お寿司屋さんをのぞいてみました。旬の時期にだけ味わえる毛ガニ刺しや、毛ガニのにぎり寿司、かに汁が並びます。
またこの雄武町では毛ガニを使った新たなメニューが評判となっています。
ご当地の毛ガニをふんだんに使ったオムライス。毛ガニの風味を生かすためケチャップではなく、パプリカを使い色づけされたライスにどっさりとカニ肉を混ぜます。更には半熟のオムレツの中にもカニの棒肉が3本も!大ヒットの兆しのこのメニュー、雄武町の名に引っ掛けて“カニ雄武ライス”とネーミングされました。
★長万部かにめし誕生秘話

★長万部かにめし誕生秘話
実は毛ガニは戦後になるまでその存在が広く知られることはありませんでした。噴火湾ではカレイ漁の邪魔になるほどだった毛ガニを、塩茹でして長万部駅で売り始めたのが金谷勝次郎さん静江さん夫妻でした。二人はその後カニメシを考案し、駅弁ブームの立役者になります。カニメシの人気につれて毛ガニの存在も広く知られるようになったのでした。
★かにめしをめぐる長万部駅人情話

★かにめしをめぐる長万部駅人情話
そんなカニメシを食べたくて北海道を一人旅した小学生がいました。長万部の駅でカニメシを買おうと売り子さんを呼び止めた彼は代金が200円足りないことに気づいたのです。発車の時刻が迫り少年があきらめかけたその時、駅弁売りのおじさんが、少年に声をかけました。
「足りない分はいいから、持っていきなさい」
少年は東京に戻ると御礼の手紙を書きました。売り子のおじさんは今もその手紙を大事にしています。
今週のおすすめレシピ

今週のおすすめレシピ
【ゆで毛ガニ】
作家・檀一雄も魅了された毛ガニ。その醍醐味を味わうには塩ゆでが一番といいます。
でも、上手にゆでないとせっかくの毛ガニがもったいないことに。
今週は毛ガニの美味しいゆで方をお教えします。
1.まず、活きた毛ガニは真水につけてゆでる際に暴れないように落ち着かせます。
2.沸騰したお湯1リットルに対して40グラムほどの塩を入れます。これは海水と同じくらいの塩分濃度です。
3.毛ガニを入れる際は逆さまにして入れると甲羅の裏側にカニミソがまとまり、食べ易くなります。
4.落し蓋をして20分ほどゆでれば出来上がり。ゆですぎると殻に身がくっついて食べにくくなるのでご注意を。
5.ゆでガニを冷ます時は、氷水に入れてはいけません。甲羅の隙間から水が入り美味しくなくなります。扇風機などで風を送り冷ましましょう。
ゆでた状態で購入したものは再びゆでると美味しくなくなります。冷えた状態でも毛ガニは充分美味しくいただけます。
毛ガニ本来の旨味が一番わかるシンプルなゆで毛ガニ。ぜひ、一度お試しを。
取材先
制作担当
【ディレクター】松永 清史(ViViA)
【プロデューサー】加納 満 (ViViA)
【プロデューサー】高階秀之(テレビ朝日)





