食彩の王国 食彩の王国

毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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第62回『鍋』

12月25日放送予定

★鍋王国・日本

★鍋王国・日本

冬の訪れと共に誰もが囲みたくなる料理・・・それは鍋!しょっつる鍋、いしり鍋、ふぐちり、ねぎま鍋・・・。日本ほど各地で様々な鍋料理が食卓を彩る国はない。北大路魯山人は、鍋料理をこう書いている。「私は、鍋料理の材料ひとつにしても生け花と寸分違わないと思っている。天然の材料を人間の味覚に満足を与えるように活かし、その上目も喜ばせ楽しませる美しさを発揮させるべきだ。」そんな多彩な鍋を支えるもの、それは出汁。出汁はまさに鍋の命なのである。

★日本出汁紀行

★日本出汁紀行

出汁の中でも珍しい「焼きあご」があのキリシタンで有名な長崎県平戸にある。「あご」とは、飛魚のこと。この地方では昔ながらの炭火焼で「焼きあご」を作っている。秋田県八森町は、ハタハタで有名な土地である。ハタハタは雷の魚と呼ばれ、雷が鳴り海が荒れると海岸に押し寄せる。そんなハタハタを使って作る出汁「しょっつる」は、日本三代魚醤のひとつでもある。一方、石川県能都町。ここにも日本三代魚醤のひとつ「いしり」がある。いしりの材料は能登の海で捕れた新鮮なイカである。

★鍋の歴史

★鍋の歴史

鍋の世界はまさに百花繚乱。そんな鍋はどういう風に生まれたのか?鍋が確立したのは江戸時代。作家・池波正太郎の江戸を舞台にした小説には、様々な鍋が登場する。一方、一般家庭での鍋が、今のように家庭料理として確立するのは明治時代になって牛鍋が流行してからのことである。

★著名人ご自慢の鍋

★著名人ご自慢の鍋

著名人の中でも鍋にこだわりを持つ人は多い。作家 立松和平氏は、旬の食材を何でも入れて作る味噌仕立ての鍋を作る。シナリオライターの筒井ともみ氏は、シンプルな鍋を好む。出汁は自分でカツオ節を削り鴨とクレソンの鍋作る。その鍋は、あの失楽園にも登場した鍋である。

★出汁の原点カツオ節

★出汁の原点カツオ節

静岡県西伊豆町にカツオ節職人の山本伊助さん88歳がいる。「70年余りカツオ節を作っているが毎日毎日より良いカツオ節を作りたいと願っている。」山本さん一家では、伊助さんを初め、息子さんとお孫さんまで手作りのカツオ節作りに命を掛けている。

★日本人にとっての鍋とは?
今では殆どなくなってしまった懐かしい風景。それは丸いちゃぶ台を囲み、ひとつの鍋をつつき合うそんな光景・・・。そしてそこには、家族のコミュニケーションの場があった。鍋、それは家族団欒の象徴だったのかも知れない。

取材先
制作担当

【プロデューサー】柴野幸雄(アサオカワークス)
【ディレクター】浅岡弘行(アサオカワークス)
【プロデューサー】加納満(VIVIA)
【プロデューサー】高梨聞吉、高階秀之(テレビ朝日)