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毎週⼟曜⽇ あさ9時30分から

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第61回『にんじん』

12月18日放送予定

★台所の常備野菜「にんじん」

★台所の常備野菜「にんじん」

シチューに白和え、五目ちらし等、料理に華やかな彩りを加えるにんじんは色々な料理に大活躍。

★原産国アフガニスタンのにんじん

★原産国アフガニスタンのにんじん

にんじんの原産国はアフガニスタン。現在でもアフガニスタンの料理には、にんじんが欠かせない食材だそうです。特にイスラム教を信仰しているアフガニスタンの人々は、1ヶ月間日中に飲食を慎むラマダーンの期間、砂糖で甘くにんじんを煮詰めて作るにんじんジャムを日の出前に食べ、ラマダーンの日中を乗り切っています。
しかし、原産国アフガニスタンにはオレンジ色のにんじんはありません。

★様々な色のにんじん

★様々な色のにんじん

にんじんの原産国アフガニスタンでは、白・黒・紫・黄・赤のにんじんがあります。アフガニスタンから、にんじんが西洋・東洋に伝わった時もオレンジ色のものはありませんでした。それは人間の手によって作られたものなのです。

★西洋に伝わったにんじん

★西洋に伝わったにんじん

にんじんはトルコを経てヨーロッパへ12世紀頃に伝わります。16世紀までは紫色のにんじんが主流でしたが、煮こむと色移りする紫色のにんじんは料理の見た目を損なってしまっていました。オレンジ色のにんじんが生まれたのは、当時植物の品種改良が盛んに行なわれていたオランダでこと。新しいオレンジ色のにんじんは、色も鮮やかで育ちやすく強い品種でした。やがて改良されたにんじんはヨーロッパ中に広まり、様々な料理に利用されるようになります。

★東洋に伝わったにんじん

★東洋に伝わったにんじん

東洋へは13世紀頃、赤や黄・紫などのものが中国へ伝わります。その中でも広く受け入れられたのが赤いにんじんでした。それは中国のある信仰に基づくものでした。中国では赤はめでたい色という事で、お祝いの時などにも赤い色のにんじんは欠かせまん。

★日本に伝わったにんじん

★日本に伝わったにんじん

日本へは16世紀頃、中国から東洋種のにんじんが伝わりました。その後西洋からオレンジ色のにんじんが伝わり、育ちやすくて日持ちの良い西洋種のにんじんが主流となっていきます。そんな中でも、京都では東洋種の流れをくむ金時にんじんが今でも息づいています。鮮やかな赤色の金時にんじんは京都のお節料理には欠かせないと、この時期になると金時にんじんの収穫作業が活気づきます。

取材先
制作担当

【プロデューサー】土橋正道(テレビマンユニオン)
【ディレクター】下高呂佳子(テレビマンユニオン)
【プロデューサー】高梨聞吉、高階秀之(テレビ朝日)