晴れ
とあるダイビングプール。
今日はここで、シンクロのプロモーション撮影が行われます。
「こういう機会を勉強だと思ってやらないとだめですよ」と話す金子シンクロ委員長の視線の先…すらりと伸びた脚線美で模範演技を見せるのは チームのキャプテン、鈴木絵美子選手、24歳。
去年の世界水泳モントリオールでは、全種目に出場し、3つのメダルを獲得した日本のエースです。
9月のワールドカップでも全種目出場を目指しますが・・・
「3・4・1・2・3・4・・・」
「あー頭がパンク。」
「3・4・1・2・・・全然覚えてない、なんだっけ…」
実はこれまでソロとデュエットの練習に
専念してきたため、チームの振り付けを覚えるのは、この日がはじめて。
それでも、チーム演技に出場する決意は揺らぎません。
いったい、どんな思いが彼女を突き動かしているのでしょうか。
「原点というか、私は個人種目で育ってきた選手ではなくて、チームとしてずっと育ってきた選手なので。みんなと同じような気持ちになれることがすごく楽しい」
心を分かち合える「チーム」が、原点。
だからこそ、キャプテンとして描く理想のチーム像は。
「みんなで話をしたり、ミーティングをしてるときは、すごいみんなの意見が、下の子とかでも飛び交うようなそんなチームにしたいな、と」
笑顔の中心にいるのは、鈴木選手。
年齢や経験を越えて、みんなが一つになるように。
キャプテンになってから、試合前にすると決めた「おまじない」があります。
それは、手をつなぐこと。
「出番前ってすごく怖いんですよ。みんなでいくんだけど背中を押されているような、そんな気持ちになれるんじゃないかなと」
不安なときほど、仲間がいれば乗り越えられる。
今までも、これからも、その思いを大切にして。
「11人の気持ちを一つにして9月のワールドカップでは戦っていきたいと思います」
9月のワールドカップまで、 頂点までの道は険しいけれど、1人じゃないから
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