シンクロ・ワールドカップを10倍楽しむために!

その(2) 手の暗号

横浜国際水泳場で9月の14日から17日まで行われるシンクロナイズドスイミング・ワールドカップ。いよいよ近づいてきましたね。
11日の月曜日には選手たちが続々日本に入ってきて、公式練習を始める予定になっています。北朝鮮もエントリーしているんですが、来るんでしょうか、来ないんでしょうか。ニュースでも盛んに報道されていますが、日本入国のビザが選手など10人にはおりたものの、団長など3人に出なかったということです。果たして団長なしでコーチと選手だけでやってくることができるのでしょうか、選手団の動向が気になります。去年モントリオールの世界水泳で華麗な演技を見せてくれた彼女たちの演技を是非横浜で見たいと思っていたので、とても気になります。

さて、「シンクロナイズドスイミング ワールドカップを10倍楽しむために」2回目の今日は「手の暗号」です。

講師は前回と同様、テレビ朝日シンクロ解説者でおなじみ、1988年のソウル五輪デュエット銅メダリストの田中ウルヴェ京さんです。何を隠そう、私田中さんが15歳のころから取材をさせていただいております。もう25年のお付き合いになるんでしょうか。京さんのご好意でこんなポーズをしてしまって・・・・小谷実可子サンごめんなさい。

田中さんと宮嶋のデュエットコンビ?

さて、本題です。
シンクロの演技には脚技がとても重要なことは皆さんご存知のとおりです。でも脚だけなく、手の動きも演技に表情をつけるのには大きな役割を果たします。

コーチは「ここはこんな手の形をしてほしいなあ」と思うとき、選手にどう伝えるでしょう。
「はあい、手をめいっぱい開いて、指の第一関節だけ30度ほど曲げてみましょうか・・」などと言っていたらとても面倒ですね。

そこで、手の形に簡単な名前をつけているんだそうです。
「はい、じゃあここはコワイ手でいってみましょう」てなぐあいです。
ちなみにコワイ手とはこんな感じ。

コワイ手 コワイ手を横から見ると・・・

このように選手たちには手の暗号があるのです。
こちらがきれい手

きれい手

ちなみに、関東のクラブのきれい手と関西のクラブのきれい手は微妙に形が違うんだそうです。
ちょっと比べてみましょう。

きれい手関西バージョン

関東と関西でそれほど変わるようにも思えないんですが、チームで8人全員の動きをぴったりあわせるとなると、この微妙な形の違いも目立ってきてしまうんですね。コーチや仲間が関西か関東かで調整しながら手の形も変えていくそうです。

そして、なぜこう呼ぶのか、バラ手

バラ手

ぱー手はこちら

パー手

つかみパーと申します。

つかみパー

「じゃあ、グーで手を握ってください!」といわれたら、皆さんはどうしますか。
あなたの親指はどうなってますか?
外にでているかな?中にしまっているかな?

シンクロでは基本的には親指は出すことにしているそうですが、時々親指を中にしまっている選手を見つけることも。 そんな時、コーチはこう叫ぶんです。

「ほら!手がドラえもんになってるよ!」 ええっ??・・・・ドラえもんの手ってどうなっていたっけ・・・
私はテレビ朝日の玄関においてある大きなドラえもんを見に走ったのでありました。

次回はスペインシンクロの急成長の秘密をお伝えします。
報道ステーションでは9月12日火曜日にこのスペイン特集を放送する予定です。
独創的で自由奔放な彼女たちの魅力と日本人コーチ藤木麻祐子さんの奮闘振りをお伝えします。