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#77 金城一紀著「フライ〜」はイイゾ!
金城一紀さんの新作「フライ、ダディ、フライ」は読み終わると気分が爽快になる。

私は金城さんとは同世代ということもあり発刊を楽しみにしていた。
あの直木賞作品「GO」から3年になろうとしている中、待ちに待った金城作品。
常に社会と真正面から向き合ってストレートなメッセージをおくっている印象があるが、この作品も、非常にクールでありながら、読み手の心の底にある熱いモノを引き出してくれる人間的な力に溢れている。

テンポよく進むストーリー。そして息を呑むラストの展開。まぁ、読み終えればあっという間だ。

個人的には別の楽しみ方として、これを映画化して自分が監督になったら主人公は誰をキャスティングしようか想像を膨らませることができる。この話に出てくる人物は誰もが個性的で魅力的だ。映画化も今後の楽しみのひとつである。