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#23 銅メダルでも金メダル級
 里谷多英選手がソルトレークオリンピックで銅メダルを獲りました。日本では(というよりマスコミは)上村愛子選手がメダルをとると予想し事前に過剰なまでの取材合戦を繰り広げていましたが終わってみれば長野五輪女王の貫禄勝ちでした。

 確かに練習最終日に取材に行ってもマスコミが追うのは上村ばかり。あえて私は里谷選手に試合の前日の気持ちを聞きました。「長野オリンピックの試合前日の気持ちと今回の前日の気持ち、どう違います?」意外な答えが返ってきました。「長野の時は調子が悪かったんで、その時とは違って今回は徐々に緊張感が高くなってきてますョ。」と。なんと最悪のメンタル状態で金メダルを獲った長野より精神的に充実しているのか。これならひょっとするとひょとするかも?なんて自分勝手に予想してました。そしてこの結果。つまり、彼女は極端に言えばこのオリンピックにピークを確実にもってこられたということ。これが大舞台に強い里谷の最大の才能ではないでしょうか?

 昔、ニュースステーションで私はモーグルに挑戦したことがあります。その時の恐怖は今も忘れませんが、選手は30秒でゴールするところを5分かけてゴールした後、里谷さんに「よくゴールできましたね。すごいよ」と言ってもらったことがあります。当時17歳の彼女。気が付いたら2大会連続メダリストに輝いていました。おめでとうございます!