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#139 「とんでもありません」と言うのは
「とんでもない」ことではない!?

最近読んだ本で面白かったのが「問題な日本語」(北原保雄他編)と言う本。
以前から指摘されている日本語の間違った使い方がたくさん載っている。
でも、この本は今までの日本語指摘本とは違って、変わりつつある日本語を 前向きに解釈している。例えば、「とんでもない」という言葉。

「とんでもない」と言う言葉を丁寧に「とんでもございません」「とんでもありません」と言うのは間違いか?
辞書によっては「とんでもない」は形容詞であって、”とんでも”が”ある”か”ない”かではないので日本語として間違いだとするものもある。私も以前、このコラムでそれを書いたことがある。丁寧に言うには「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」と言い換えるべきものである。

しかし、驚くべきことに、この本では「とんでもありません」「とんでもございません」は広く使われている普通の言い方で、誤った表現ではないと書いてある。
つまり、言葉は変化し続け、周囲はそれに頑固になることなく認めることも必要だとしている点は非常に興味深い。

日本語で思い出したが、先週Jチャンネルの暮らしの達人コーナーで登場したインドの方はホントに日本語が上手だった。日本語を勉強している外国の人たちの方が日本人より日本語が上手い・・・なんて時代にもう入っているのかもしれない。