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#101 お見事!72歳名監督の有終の美
常総学院が夏の甲子園を制した。

私は毎年、密かにこの常総学院を応援している。
実は、私がテレビ朝日のアナウンサーになって最初の取材が常総学院だった。

93年の夏、甲子園出場を決めた常総学院を訪ねた。初めての取材とインタビュー。
緊張で何を聞いたかはよく覚えていないが、話を聞いた「人」はしっかり覚えている。

一人は現在日本ハムファイターズの金子誠選手。
そしてもう一人は木内幸男監督だった。

練習では選手を怒鳴り散らしていた。「なんだ!今の捕り方はっ!」「おまえ、グラウンドしばらく走っとけ!」
柔和な表情からは想像もつかない、監督としての厳しい顔があった。

私は木内監督がいつも選手たちのことを「子供たち」と表現するのが大好きだ。
監督という立場を超えて、選手みんなの「父親」の気持ちで接している証拠だ。
優勝後のインタビューでも「子供たちが・・」を連発していた。

そんな木内監督の監督最後の今年の甲子園。見事な有終の美であった。

その日、木内監督の「子供」である金子選手も西武戦で見事なサヨナラヒットを放った。

これだから高校野球はたまらない!