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#10 ジェノバサミット
 外相会合&首脳会議の取材で10日間、プラハからベオグラード、ローマそしてジェノバと、乗り継ぎを入れれば7都市を周ってきました。田中真紀子大臣と小泉総理を取材しようと、日本から大量のマスコミが集結し、地元の新聞にも「日本から大波が押し寄せてきた!」と書かれたほど。デモも激しく、私も初めて催涙弾や放水を浴び、顔がねじれるような痛さを経験しましたが、何より気になったのが、「気温」です。10年ほど前、ヨーロッパに住んでいた私にとって、こんなに7月は暑かったっけ?という感じでした。実際、気温も連日35度以上で日差しも妙に強くってジリジリ。やはりこれは地球温暖化の影響かな?と10年ぶりに感じたヨーロッパの空気で思いました。温暖化防止への取り組みは重要な議題でした。しかし首脳の間でも一致団結!という結果にはなりませんでした。これからヨーロッパに旅行される人がいたら是非この問題、”肌で”感じてきてください!!


◆小宮悦子

 お久しぶりです。  スコットランドとイギリス南西部のコーンウォル、イギリスの「周辺」ばかりを訪ねてきました。そこには、ロンドン近郊には見られない風景が広がっていました。深い森に囲まれた湖に浮かぶ、幽霊のような古い城。あるいは、強風にさらされて樹木も育たない、ムーアと呼ばれる広大な荒れ地。  気候も、全英オープンをごらんになればおわかりの通り、とても夏とは思えない肌寒さ。晴れたかと思えばあっという間に厚い雲に覆われ、冷たい雨が落ちてきます。その気まぐれさときたら、蒸し暑い日本の夏にも閉口しますが、やっかい度では上を行っているようです。  人々はそうした気難しい自然と長い間向き合いながら、独自の文化を育み守り続けてきました。その自負と誇りはうらやましいほどです。美しい森や古い街並を残そうとする良い意味での「保守性」は、もしかしたら、今の私達日本人とは、対極にあるものなのかもしれない、そんな風に思えたのでした。