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今回から3週連続でおくるスマ特のテーマは「クローン人間リポート」。
第1回目は「どんな赤ちゃんが生まれるのか?」。
クローンの作り方、それに伴う危険性をリポートします。 |
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“もし、自分がもう1人いたら…”――そんなことを、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。前向きであるにしろ、後向きであるにしろ、それは大部分の人にとって“実現し得ない願望”だったはずです。が、2002年、それは“実現し得る願望”に変わりつつあるのです。
先日、イタリア人医師セベリノ・アンティノリ氏がある発表をしました。クローン人間の妊娠に成功し、現在妊娠8週目にあるというのです。今年中にも人類史上初のクローン人間が誕生する――この驚くべき事実を知ったスマステ・スタッフは、クローン人間の共同研究者である人物と接触。アメリカのケンタッキー大学のパノス・ザボス教授がその人物でした。取材に対し、クローン人間誕生への絶対的自信をのぞかせたザボス教授ですが…。
クローン技術には「受精卵クローン」と「体細胞クローン」の2つの方法があります。「受精卵クローン」とは、精子と卵子が結び付いてできた受精卵をいくつかに分割して誕生させるクローン。つまり、本来は一人しか生まれないところを三つ子や五つ子に増やすやり方です。一方、「体細胞クローン」は、受精前の卵子から核を取り除き、そこに精子ではなく、ある人物の体からとった細胞の核を移植するという方法。今回アンティノリ医師が行ったとされる方法です(一部報道では、今回使われた体細胞はアラブ人富豪のものだそう)。この場合、生まれてくるのは細胞を提供した人物を100%コピーしたもの。顔立ちや髪質、手足の長さなど身体的特徴はもちろん、知力や運動神経といった様々な潜在的能力もコピーされるのです。理論上では、赤ちゃんが体細胞提供者と同じ年齢になった時、そっくりそのままの人間がもう1人完成されることになります。つまり、もし体細胞提供者が何らかの病気に侵されていた場合、異常をもった遺伝子もそのままコピーされてしまうことになるので、クローンの方もまったく同じ病気にかかってしまうことも考えられます。
他にも問題はあります。これまでのクローン動物を例にとると、牛の場合、無事に誕生するのはわずか1~2%。さらに、無事に生まれたとしても、成長過程で様々な問題が起こる可能性も否定できません。1996年にクローン羊「ドリー」を作ったイギリスのウィルムット博士によると、これまでに誕生したクローン動物の全てで遺伝子に何らかの異常が見つかったといいます。体の巨大化、臓器の欠陥、発育障害、免疫不全、突然死――こうした原因不明の異常が相次いでいるのです。同じことがクローン人間に起こらないとは限りません。
もちろん、クローンを生み出すという行為は神の領域をも侵すもの。反発が多いのも確かです。イギリス、フランス、ドイツはクローン人間の研究を法律で禁止。日本でも昨年6月に「クローン規制法」が制定されています。が、その一方で、アンティノリ氏は先月24日、イタリアのテレビ番組でさらなる驚愕の発言を。「クローン赤ちゃんを身ごもった女性は世界に3人いる」。世界のどこかでクローン人間作りは着々と進められているというのです。
1980年、手塚治虫は『火の鳥~生命編~』の中で、ある未来の世界を描きました。視聴率競争に追われたテレビプロデューサー・青居が、“クローン人間を作って、ハンターに人間狩りをさせる”という番組を企画するのです。当時フィクションにすぎなかったこの物語は、22年の時を経った現在、現実味を帯びることに。 あなたは、この現状をどう捉えますか? |
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