◆田宮二郎さん特集を見て、複雑な気持ちになりました。「悪名」は見ていたのでそれにビックリしたのもあったんですけど、その後に出てきたファッション界を舞台にした作品…山崎豊子さん原作の「女の勲章」を見たくなりました。関西弁のあのお芝居に、グッとくるものがあったんです。淀川さんが、「この女たちを次々に食っていく銀四郎を田宮二郎は早い関西弁で、見事に肉付けした。努力賞を呈したい日本映画の名調子である」っておっしゃったそうですけど、あれは凄いですよ。あのあたりまでは、もう亡くなってしまったけど、お芝居に対する熱い思いを持った俳優さんの“秘められた伝説”を見ている感じだったんですけど、その後、映画界から去ることになって…。そのあたりから、見ていても何だか苦しい気持ちになりました◆そういう話を知るまでは、「タイムショック」で司会をやってて、っていう感じから、「映画もやったり、ドラマやらせてもらったり、バラエティーもやらせてもらったり、こういうSmaSTATION!!みたいなものもやらせてもらったりするボクと同じような感じの人なんだな」って思っていたんだけど、そうじゃなかったんですね。すべての映画会社から相手にされなくなり、それで行くところがなくなって地方の営業をしたりしていった末に、「タイムショック」があったんだということを知って…。それから復活して、ドラマをやったり映画をやったりしていたのに、最後には死を選んでしまう。最初は“秘められた伝説”を見て「おー！」って感じだったのに、VTRを見ているうちに…田宮二郎さんという人が生きた43年間を30分くらいにしたものですけど…そこに、彼の人生と同じような気持ちになってしまうような感じもしました◆木村くんが演じたなかでも「華麗なる一族」の万俵鉄平は凄く好きな役で、「それかぁ…」っていうのもあったし、中居くんがやった「白い影」が出てきたりもしたので、どこかつながっているような感じもしました。もちろん、最後のところはつながっていてほしくないけど、何かつながりを感じてしまう特集でもありましたね。何で自殺してしまったんだろう、って思うけど…。ボクはたった30分のVTRを見ただけだけど、その中で感じた田宮さんの最後の死は、「白い巨塔」で死んじゃったじゃないですか。ガンで亡くなるという設定で。で、最後、放送を2話残して自殺されたわけですよね。その死に方で死ぬ役で終わるのは嫌だったんじゃないかな、っていう感じもしました。ドラマの最終回まで待てなかったのは、それで終わった自分を皆に見てもらうときに生きているのが嫌だったのかな、とか、そうじゃなくやっぱり万俵鉄平だったのかな、とか…。勝手な推測です。 (編集長：香取慎吾)

Copyright(C)2007 tv-asahi All Rights Reserved.