SmaSTATION!!

――初出演の番組はいかがでしたか？
今日は、僕にとって嬉しい日なのよ。なぜかっていうと、慎吾ちゃんと長い付き合いしてるけど、実は会話を交わしたことがほとんどないの。もちろん、番組では話すけど始まる前とか後とか、楽屋で話したことがないんで、今日は、ずい分いっぱいしゃべっちゃった。最初は、番組に出るの躊躇したんだもん。慎吾の何かを知ったら嫌だなって。接近する怖さっていうの？全然、遠くのほうに慎吾を置いてあるから、番組に出て接近するの嫌だなって思ってたの。でも、よかったよね。

――お互いに初めて知ることもたくさんあったようですね。
ひとついいことがあったのは、いつも慎吾が「欽ちゃんは僕のことをどう思ってるんだろう」って思っていたんだとわかったこと。僕も同じように思っていたんだけど、でも、そういう会話をしてなくて、なんかいつも、自然にね…。僕の前で、どんどん大きくなっていく姿を見てたんだけど、慎吾と友達になるのは僕だけ得をしてるみたいで嫌だったんだね。僕が「慎吾、慎吾」って言うとさ、あいつは凄い気遣い屋だから、「電話しなくちゃいけないかな」「話さなきゃいけないかな」とか思わせるのは、こっちも嫌なんだよね。だから、あんまりね、近寄らないようにと思って、ほったらかしてたの。

――慎吾さんが17歳のとき以来という、長いお付き合いで…。
17歳のときに会ったときと、今も同じね。いつも僕の前では、17歳のダメな慎吾のままなの。おそらく、僕の前でしかああいうダメな姿は見せないんじゃないの。

――それだけ、特別に甘えられる存在ということですね。
今日も「慎吾ってかわいいな」って、思ったんだけどさ、でも、その言葉を言うのはバツ悪いから言わないんだけどさ(笑)。見栄晴とかさ、そういうダメなヤツのことは、人前でも「ロクもんじゃない」とか言うけど、香取慎吾については言わないね。「慎吾っていいヤツだよ」っていうのも、なんか照れくさいもんだからね。お客さんたちは、欽ちゃんファミリーのこととか、慎吾のことなんか聞きたがるんだけど、僕は絶対にしゃべらない。それは失礼だからね。

――香取さんへの深い愛情が感じられます。
慎吾とは、ずっと、ぐずぐずの仲でいたいね。あいつ、好きなのかなぁ。でも、おそらく僕は慎吾に聞けないと思う。僕が亡くなったときにでも、あいつがきっとね「欽ちゃん好きだったよ」って、僕が聞けない言葉を言ってくれるんじゃないかな。そういう仲でありたい。なんか、フタみたいな物をかけたくなるのかもしれないね、かわいいから。だけど、慎吾だけじゃなくて、小堺も関根ともそうよ、ほとんどしゃべんないし。柳葉ともしゃべったことないもん。

――特集では、そういう方々が萩本さんのことを熱く語っていらっしゃいました。
「ああ、ありがたいと思ってるんだなぁ」と、初めて番組見て思ったね。でも、どう語ってもらっても、真実を語られることはないからね。だから、好きなように言えばいいんだよ。

――自分のご出演番組は見ないとおっしゃっていました。
100％見ない。それはどうしてかというと、自分でうまくやったと思ってないんですよ。うまいコメディアンだと思ってないし、うまいことやってるとも思ってないから。「運」だけだと思ってるから。一生懸命やってないと、いいことないさと思ってたからさ。だけど、(視聴率)30％男とか言われて、自分でビックリしたんだよ、「そんなヤツじゃないよ」って。初めて言葉が飛び込んできたときにも、「どん尻がよくやったな」って思ったの。

――最後に、慎吾さんへメッセージをお願いします。
ずっとこのままでいて。本当は懐に入れたい男だけど、入ってこないでね。あとは、僕のことは、どこか思い出すことがないようなところに置いておきな。会ったときに、「ああ、欽ちゃんと一緒にやるんだ」って思ってもらえるとね、僕も安心だね。

(萩本欽一さん)