――今日は、たっぷりの勝新太郎さん特集でした。貴重な映像も満載で…。
今日は、本当に主人も喜んでいると思います。私も、子供たちも、家族全員が嬉しい気持ちでいっぱいです。みなさんに知ってもらう、思い出してもらう機会になりましたので、本当に嬉しかったです。娘は、きっと泣いていると思います。内容も、とても、コンパクトにわかりやすくまとめていただいたので、よかったですね。「総理大臣の代わりはいても、勝新太郎の代わりはいない」とか、いろんな言葉を残していましたが、それを、「偉そう」だと思われながらも、こうやって形に残してもらってるってことは、凄く幸せな人だと思うわけです。でも、私、本当にあの言葉、知りませんでした。
――「勝新太郎は中村玉緒なしでは、存在し得なかった」という言葉ですか?
はい。そんな言葉を残していたなんて。ちょっとビックリしましたね。
――今でも、勝新さんが「そばにいる」とおっしゃっていました。深い絆を感じました。
毎日、側にいるんです、はい。ずっと…。香取くんに、「離婚考えなかったんですか」と言われましたが、そんなことを考える余裕はなかったんですね。朝起きると、債権者の方がやってくる生活ですから(笑)。今思えば、離婚どころか、個人的な話もできないままでしたけど。
――香取さんもコメントしていましたが、勝新さんの、優しくてチャーミングな部分を、今日はたくさんお見受けしました。
そうなんですよ。本当に真っ白な人なんですよ。それで、ついて行けたんだと思います。さっきも言ったように、破産したといいながら、実はどこかにお金を残しているとか、そういうことがまったくない人で。「破産した」と言ったら、本当にまったくないんです。もし、細工をして少しでも残したり、隠しているような人だったら、多分、離婚していたと思います。でも、そういうことはしない人だから、あとは、「頑張らなくっちゃ!」ってなれたんでしょうね(笑)。
――今日は、古い映像や写真も満載でした。懐かしく見られたのではないですか?
いやぁ〜、懐かしいですよ。でも、やっぱり、若いときの楽しさよりも、晩年の、ガンで辛かったときのことを思い出します。辛いですね。それは、みなさんにも言えることで、今、ガンと闘っている人もいれば、今日、ガンを告知された人もいるはずでしょうから。みんな、「自分だけは…」と奇跡を信じてやっていくんでしょうけど、私たちもそうでした。
お医者さまから3年と言われた寿命が、10ヵ月で終わっちゃったんですからね。でも、こうやって思い出してもらえたり、香取くんのような、勝新太郎をあまり知らない人たちが、「今度、『座頭市』を見たい」とか言ってくださって。ありがたいことです。
――そんな香取さんへ、何かメッセージがあれば。
久しぶりにお会いしましたけど、すっかり大人に、そしてハンサムにおなりになっていて。でも、やっぱり、失礼ですけど、かわいい感じでしょ!さわやかでしょ!(笑)。この番組は好きで、結構、見させてもらっているんですよ。だから、今日、こうやって呼んでいただけたことが、何より嬉しいんです。もし、評判がよかったら、また、呼んでください。お待ちしています(笑)。
(中村玉緒さん)
Copyright(C)2007
tv-asahi
All Rights Reserved.