――初登場のスマステは、いかがでしたか?
いやぁ、楽しかったです。普段から見ていますけど、番組の情報の質感のよさと、クオリティーの高さは、改めて感じました。1時間があっという間でした。それだけ、楽しかったってことですね。
――
「役作りに命を賭ける俳優」
の特集は、どのようにご覧になりましたか。
紹介されるのが、僕が好きな俳優ばっかりで、本当に刺激になりました。いい役者は世界共通で、みんな好きなんだなってことも、よくわかりましたね。僕は、特に、ジャック・ニコルソンが好きなんですけど、デニーロとはまた違った役へのアプローチのスタイルが見られたので、興味深く見ました。
――その一方で、ハリウッドと日本映画界の違いもおっしゃっていました。
そうですね。同じ1本の作品でも、配給されるシェアの大きさはもちろん、俳優にかけられるお金の大きさ、役作りをどこまで興行収入に見返るだけの価値があるものとするかってことの違いを考えさせられました。そういうことが、担保できれば、日本の役者だって役作りには命を掛けますよ、負けちゃいけないと思います。それと、俳優っていう仕事は、いろんなセクションのなかのひとつの役割としてやっていくわけです。映画は総合芸術ですから、いろんなものが相まって、ひとつの作品になるんです。ですから、俳優も、いかに、“ひとつの表現の素材”としてなりうるかってことを意識していくことは大切だと思っています。
――香取さんとも“役者としての共通点”がありました。
俳優として、スクエアにものを考え過ぎずに、ヒップな感じで役を作ったり、現場に入ったりと、瞬発力で勝負している感じが、以前から「似ているな」と思っていたので、僕としてはそれほど意外ではなかったですけどね。「ああ、そうだろうな」っていう思いでした。香取くんは、今日も、全然、スクエアじゃなくて、「だらんとした感じで番組に入っちゃうんですよ」というようなことを言っていて。こういう番組でも、なかには、緊張してやられる方もいると思うんですけど、そうすると、僕なんか、その緊張がすぐ移っちゃってダメなんです(笑)。でも、今日は、香取くんのお陰で、緊張もせずに、香取くんと同じテンションでいられたような気がします。
――今日は、西田さんがご出演された過去の作品の映像も、紹介されました。
照れますね。でも、「あっ、こんな時代もあったんだな」「こんなことやってたんだな」みたいなことを、あっという間に想起できて、本当に嬉しかったですね。よくまあ、いろいろ見つけてくださって、まとめてくださっていましたね。
――最後に、11月18日から公開される「椿山課長の七日間」の見どころをお願いします。
死という重いテーマを掲げてはいるんですけれども、なんとなく、死から目を逸らしている人に、人間は確実に死ぬし、それを真摯に見つめることによって、どう生きるかってことを逆算してもらうきっかけになる映画だと思います。最近、いじめが問題になっていて、それが原因で自殺する人も多いですけど、自殺は死ではなく、自分で自分を殺す「殺人」だと思うんです。もちろん、「自分が消えてなくなりたい」という気持ちはあるんでしょうけど、ほっておいても寿命には確実に終わりが来るんですから、それまで、いかに生きるかってことを考えてほしいなと思います。
(西田敏行さん)
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