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近年、頻繁に耳にするようになった「地球温暖化」という言葉。地球のあちこちで異常な現象が報告される今、私たち地球上に暮らすすべての人類が真剣に受け止めなければいけない事態なのです。
2003年にアメリカ国防総省が発表したレポートにも『アメリカにとって、テロよりも地球温暖化の方がはるかに脅威である』との報告が。
まさに、地球規模で一刻も速く取り組まねばならない課題なのです。日本ももちろん、他人事ではありません。「地球温暖化」はどのくらい進んでいて、それに対処する方法はあるのでしょうか?
緊急の特集でお届けします。
スマステーション特別企画 「本当に地球が危ない!異常気象と環境破壊」
アメリカ国防総省も警告!各地で異常事態が続発の理由

今から6年前の2000年8月、国連の船が北極点に到達したとき、研究者たちは驚きの声をあげました。過去5000万年もの間、そこにあったはずの真っ白な氷原が消え失せ、青々とした海が広がっていたからです。太陽熱により解かされた氷河の水が鉄砲水となり、もの凄い勢いで海に流れ込んでいき、ペンギンも濁流に飲み込まれないよう必死に逃げ惑っていたのです。緯度が高くなるほど温度の上昇率が高いといわれる地球の温暖化。その結果、北極は徐々に消滅の危機にあるのです。

世界が水没する――その恐怖の青写真はすでに始まっているのです。南太平洋に浮かぶサンゴ礁の国・ツバル。この国は50年後には完全に海に沈んでしまうと言われています。現在でも、満潮時には島の中心まで波がやって来てしまう状態で、地下水も塩水化し、農業にも深刻な影響が出ています。ツバル政府は、10年前からニュージーランドやオーストラリアに移民の受け入れを打診、さらに、温暖化に関係している大企業に対して損害賠償の訴訟を起こす準備をも進めています。また、世界遺産にも指定されている水の都、イタリア・ベネチアでも状況は深刻です。干潟の上に造られた人工の島であるベネチアは、最近、地盤沈下に加え、海面上昇で水位が上がり、1年に40回以上もひざ上まで水に漬かってしまうという事態に見舞われているのです。 歴史的建造物に囲まれたベネチア一の観光地、サンマルコ広場も水位が上がると、一面プールのようになってしまうのです。そして、温暖化は、私たちの食生活にも多大な影響を及ぼします。台風や天候不順によって、野菜の出荷量が減り、値段も急騰。また、海流の変化によって、イワシの漁獲高が激減。大衆魚だったイワシが高級魚並みの値段になってしまうということも。

環地球温暖化対策のため、早急に二酸化炭素を削減せよ!

地球温暖化が急速に進んでしまった最も大きな原因のひとつが「二酸化炭素(CO2)」です。工場や火力発電所からの排煙、自動車の排気ガス、これら人間社会の営みが、地球上のCO2を急激に増加させているのです。全世界で1秒間に排出されるCO2の量は、なんと762tにも及びます。これを体積にすると、38万1000m3。たった1秒間で、牛乳パック3億8100万本分ものCO2が排出されているのです。さらに、CO2の増加に拍車をかけているのが、森林伐採などの環境破壊。本来、植物は二酸化炭素を吸収するもの。すなわち、その植物の減少だけで、CO2の増加を意味するのです。森林のほかに、CO2に大きな役割を果たしているのが海です。なかでも、サンゴ礁は、CO2の吸収に大きな役割を果たしています。1998年以降、沖縄で島を取り囲むサンゴ礁が、真っ白に変色するという「白化」という現象が起こりました。これは、海水温度が28℃を超えると、サンゴが白くなり死滅することで起こるのです。サンゴ礁が死滅してしまうと、CO2が吸収されなくなり、地球温暖化のスピードもますます速くなってしまうのです。なぜ、CO2が増えると、地球の温度が上がってしまうのでしょうか。それは、CO2の増加により「温室効果」という現象が起こるためです。通常、太陽光線によって暖められた地表は、宇宙に向けて熱を放射します。こうすることで、地球の温度は適温に保たれるのです。ところが、CO2などの温室効果ガスが増えると、地表から放射された熱は、温室効果ガスに吸収され、地表に向かって再放射されてしまいます。つまり、熱がこもって地球が熱くなってしまうのです。2003年のCO2の国別排出量を見てみると、第1位がアメリカ(22.8%)、第2位が中国(16.4%)、日本は4.9%で第5位となっています。急激なCO2の増加の鍵を握っているのが、アメリカの4倍の人口を抱える中国。自家用車の所有率が、毎年20%と驚異的な伸びを見せており、排気ガスに伴うCO2排出も激増中。近い将来、CO2排出量で、中国がアメリカを上回ることは確実視されています。

大国の経済優先主義が、地球を破滅へ導く!?

そんな状況を打開すべく1997年、「地球温暖化防止会議」が京都で開催され、2008年からの各国のCO2の削減量が決定されました。その量は国ごとに異なり、世界最大のCO2排出国・アメリカは7%、日本は6%、EUは8%の削減が義務付けられたのです。この国際協定が「京都議定書」と呼ばれているもの。ところが、その3年後、突如、アメリカは「京都議定書」からの脱退を表明したのです。ブッシュ大統領は、脱退の理由はこう語ります。「7%のCO2削減を実現した場合、年間3970億ドル(約40兆円)の経済損失が見込まれる」ブッシュ政権は中国同様、地球の安全より、アメリカ経済を優先したのです。

こんなアメリカの決定が国際世論の大顰蹙を買うなか、2004年、アルゼンチンで開幕した「国際気候変動枠組み条約」会議で各国からの批判が集中したのは、日本でした。1990年比で、ドイツは19%、イギリスは15%のCO2減少に成功。ところが、日本は「地球温暖化防止会議」のホスト国だったにもかかわらず、逆に8%もCO2の排出を増やしてしまったのです。「京都議定書」で確約した6%のCO2削減。これを実現するために、増加分の8%を加えた14%のCO2削減が日本にとっての急務なのです。

環境対策後進国の日本と対極にあるスウェーデン

そんな日本を尻目に、世界各国では、着々と地球温暖化の防止対策が進んでいます。お隣・韓国では、日本よりずっとエコに対しての国民の意識は高いといいます。例えば、スターバックスなどのカフェでも容器はすべてリサイクルの対象。飲み終わった紙コップを戻すと、お金が戻ってくるシステムになっています。割り箸を使っているレストランは、罰金を取られるという規定まであります。ちなみに、日本で1年間に消費される割り箸は、中国に続いて第2位の250億膳。一人当たりの割り箸使用量では世界一となります。割り箸が燃やされれば、当然、CO2も排出されるのですが…。さらに韓国では、首都・ソウルを縦に走っていた高速道路を撤去してもともとあった川をよみがえらせるという大胆な試みが現実のものに。巨大なコンクリートの塊である道路は熱を吸収しやすく、道路の周囲では体感温度が2〜3℃上がる『ヒートアイランド現象』が起こっていたからです。高速道路の撤去には「渋滞が激しくなる」との反対意見もありましたが、2005年10月、ついに川が復活。今やソウル最大の観光地であり、憩いの場となっているそうです。交通などの効率性よりも、都市の美観・環境を重視した政策は、今後の都市計画のあり方を示すものかも知れません。

カナダでは、なんと発生したCO2を地中の奥深くに封じ込めてしまおうという取り組みも。アメリカ・ノースダコタ州の石炭ガス化プラントで発生したCO2を、総延長約325キロものパイプラインで、カナダ・サスカチワン州の油田に輸送。1日、5000〜6000トンのペースで、約1400メートルの地下の割れ目に高圧で注入し、すでに約500万トンを貯蔵することに成功しています。高圧でCO2を注入することで、油田内の原油が押し出され、油田からの原油産出量を10%程度増やすことにも成功。将来の地球温暖化対策技術として期待されています。そして、いち早く環境対策に乗り出し多くの成功を収めているのが、ヨーロッパ。イギリス・ロンドンでは、2003年から「渋滞税」という税金を導入。中心部20m2の「混雑ゾーン」に進入した運転者は1日8ポンド(約1700円)の渋滞税を電話やインターネットで当日中に納めなくてはいけません。払わない場合は、80ポンドの反則金が課せられてしまいます。「渋滞税」を実施してからは、車通勤を止めて、バスや自転車で通勤する人が激増。中心地の自動車の量は3割以上減少したといいます。そして、地球温暖化に対して、最も積極的な対応策をとっているのがスウェーデン。北海道よりも緯度の高いスカンジナビア半島に位置し、冬が長く、夏が短い国。消費税は日本の5倍の25%という税率ながら、医療費や教育費などの国民の負担はほとんどなく、世界で最も進んだ福祉国家として知られています。そんなスウェーデンは、環境への取り組みも熱心で世界に先駆け、様々なCO2削減策を打ち出してきました。首都・ストックホルムでは、駅前のロータリーでさえ停まっているバスやタクシーは全てエンジンを切ることが義務付けられています。排気ガスの主な成分はCO2なので、停車中でもエンジンを切らなければCO2を排出し続けていることになるのです。また、スウェーデンのガソリンスタンドには、日本では見られない変わった燃料があるそうです。それが、エタノール。スウェーデンでは、小麦などの植物性の原料を使ったエタノールで走る車が、普及していて販売台数は年々、増加しています。普通の自動車より若干高価ではあるものの、エタノール燃料の自動車に乗っていると、駐車場が無料になるなどの特典があるそうです。また、人間や家畜の排泄物から発生させたバイオガスを燃料にしたバスも走っているというから、驚きです。ほかにも、スウェーデンの国民のエコに対する意識は高く、最近、日本でも有料化するところが増えてきたスーパーのレジ袋は、なんと50年前からすべて有料だったそう。主婦が買い物に行く時は、マイバッグを持参するのが常識なのです。また、スウェーデンでは、各家庭でも、契約する電力を「風力」「水力」「火力」「原子力」、おがくずなどを燃やし発生させる「バイオマス」の5種類の中から選べるようになっています。契約者が多いのは環境に優しいと言われる風力発電と水力発電で、全体の80%を占めているそうです。

自分たちの地球を守るために、私たちがやるべきことは?

このように世界各国が効果的な対策を打ち出しているなか、このままでは「京都議定書」のホスト国である日本が、国際的義務であるCO2の削減量すら守れない可能性が高いのです。では、私たち一人ひとりが地球温暖化防止のためにできることとは何なのでしょうか。

各家庭が排出しているCO2の内訳をみると、電気製品が31.5%と最も多いのです。2番目は、自家用自動車の排気ガスで30.1%、続いて風呂やシャワーのガス燃焼13.5%、暖房12%となっています。「京都議定書」で決定された、日本のCO2削減量6%を達成するためには、日本国民一人あたり年間210kgのCO2を減らさないといけないのです。この数字を減らすには、どんな対策が必要なのでしょうか。

あなたにもできる温暖化対策

(1)「冷房の設定温度は28℃、暖房は20℃にする」火力電力では、石油やガスを燃やして発電するため、冷暖房を使用することで大量のCO2を排出するのです。冷暖房の使用を1℃控えるだけで、年間31kgのCO2を減らせます。


(2)「1分以上停車する時はエンジンを切る」アイドリング時にも、ガソリンは1分あたり約0.014リットルが消費され、1日5分のアイドリングを止めると、年間39kgのCO2が削減できます。


(3)「ごみの分別の徹底化」徳島県・上勝町では、細かいゴミの分別を行っていて、その種類は、なんと34種類。細かい分別によりリサイクルされるものが多くなり、ゴミの焼却量は従来の3分の1にまで減ったといいます。通常の3〜5種類の分別でも、普通の家庭で1週間のゴミの量は5kg程度減らせるそうです。これで、年間62.4kgのCO2が減らせます。


(4)「レジ袋をもらわないで、自分のバッグを使う」ポリエチレン製のレジ袋は石油で出来ているので、製造時と、使用後に償却する際にCO2が発生。1日1枚レジ袋の使用をやめると、削減できるCO2の量は、年間22.3kg。


(5)「シャンプー中、こまめにシャワーを止める」シャワーの出しっ放しは水の無駄使いであるのはもちろん、水をお湯にするためにガスを使用しているうえ、水道水の送水にたくさんの電気が使われているのです。1日、1分間、シャワーを使う時間を減らすことで年間65kgのCO2を削減できます。
これらをすべて実行すれば、目標数値210kgを超えるCO2の削減が実現できるのです。

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