トップ
トップニュース
トクベツキカク
セカイノニュース
スマムービー
スマメール
スマデータ
ゲストトーク
シンゴ5
オオシタアナ
ヘンシュウコウキ
スマギャラリー
バックナンバー

スマデータ投票
モバイルサイト
メールマガジン
ケイジバン
番組へのご意見
最新号のTOP

トクベツキカク
BackNumber
今年の夏、世界最大のリゾート地・ハワイをおさえ、全米No.1の人気観光都市に選ばれた街、「ラスベガス」。
街の代名詞となっているカジノはもちろん、多数のエンターテインメントショー、100億円規模の世界的スポーツイベント、ビッグネームによるコンサート、さらに、街を歩くだけで夢の世界を体験できる視覚効果の数々など、人々を飽きさせないアミューズメントが目白押しなのです。
そこで今回のスマステーションでは、そんなラスベガスの発展を支えた巧妙な戦略と仕掛けの数々、そして知られざるその歴史に迫ります!
スマステーション特別企画 魅惑の街・ラスベガス・・・入門編
ゲストを魅了する仕掛けと工夫がつまったワンダーランド

ラスベガスには現在70軒のホテルが立ち並び、総客室数は約13万室といわれています。そのほとんどのホテルには、主に1階にカジノが存在し、カジノが無いのは、中心部から少し離れたモーテルなどの小規模ホテルだけなのです。カジノを持つ大型ホテルには、宿泊客や、観光客を自らの意思とは別に、自然とカジノへと足を運ばせる緻密に計算された仕掛けが施されています。その“仕掛け”を見ていきましょう。

仕掛け(1):設計

あなたがラスベガスのホテルにチェックインし、部屋へと向かう際、必ず通ることになるのがカジノなのです。ラスベガスのホテルでは、どこへ行くにも必ずカジノを通らなければならない様設計されています。これはホテル内のカフェやショーへ行く際にも同様。カジノのにぎわいを体感させることで、人々のギャンブル欲を掻き立てます。通常では見晴らしのいい最上階などに配置するレストランも、ラスベガスでは、基本的にカジノのあるフロアに集中。そうする事で、たとえレストランが満席でも、その待ちの時間にカジノを楽しめるように計算されているのです。

仕掛け(2):新聞

普通のシティホテルでは、当たり前の朝刊配達サービスですが、ラスベガスでは、このサービスは一切ありません。読むのに時間のかかる新聞は、カジノの大敵。新聞を読みたければ、フロントに連絡して持って来てもらわなければなりません。

仕掛け(3):客室

リゾート地のホテルでの楽しみのひとつは、綺麗な景色をバルコニーから眺めのんびりすることでしょう。ところが、ラスベガスのホテルには、どんなに景色が美しい部屋でもバルコニーがないのが普通。これも、部屋でくつろぐ時間をいかに短くするかを考えて設計された結果です。そのため、室内にはミニバーやコーヒーメーカーなどのサービスもありません。それらは全てカジノフロアーにあり、そこでは酒やタバコなどはすべて無料なのです。ちなみに10年ほど前までは、部屋にはシャワーだけで、バスタブを配置していないホテルがほとんどだったのです。

仕掛け(4):配列

日本のパチンコ店などを見ると、マシンは直線に綺麗に並べられています。ところが、ラスベガスのカジノは、ジグザグに配列。なぜこのような配列に設計されたのか? 実は、そうすることでどんな場所からでも、マシンが目に入るようになっているのです。ギャンブル欲をそそる仕掛けのひとつであり、友人のトイレを待つちょっとした時間でも利用してもらうなどの狙いもあるといいます。

仕掛け(5):音

大当たりを引き当てると、マシンから派手なサウンドが鳴り響きます。これを耳にすると、誰でも自然にマシンへと誘われるもの。これも心理をついた作戦です。そのためフロアーのBGMには、メダル音なども利用しているのです。

仕掛け(6):ソファー

通常、ほとんどのホテルのフロント前には、待ち合わせのためのソファーやイスが設置されています。ところが、ラスベガスのホテルのロビーには、ソファーはありません。ソファーが無ければ、行く先はひとつ、カジノしかないのです。

仕掛け(7):時間

ソファー同様、通常のホテルのフロントにはあって、ラスベガスのホテルには無いものが時計。客室以外、一切時計は置いてないそう。理由はもちろん、「時間を忘れて心ゆくまでカジノを楽しんでもらう=長時間カジノにいてもらうため」なのです。

このように、ラスベガスのホテルではいかにカジノでお金を使わせるか、そのための緻密な計算が詰まっているのです。ラスベガスを訪れる人のうち、「目的がギャンブル」という人は実に10%以下。しかし、結果的にギャンブルをしたという人は、80%以上になるとか。カジノへ向かわせる仕掛けが、的中しているといえるでしょう。13万室もの客室があるラスベガスのホテルの年間稼働率は90%以上。この高い数字の裏には、年間して豊富に用意されている数々のアミューズメントの存在も重要です。「シルク・ドゥ・ソレイユ」によるアクロバティックなパフォーマンス、セリーヌ・ディオンやマドンナなどの大物ミュージシャンによるコンサート、一試合100億円ものファイトマネーが動くボクシングヘビー級タイトルマッチ、他にも航空ショーやロデオ大会など、年間通して数珠繋ぎに催される多種様々なイベントやショーが連日連夜、街の至る所で繰り広げられているのです。これらのショーの年間観客動員数は、6千万人を越えるといわれ、現在のラスベガス観光業の目玉でもあるのです。さらに、この魅惑の街は、ショッピング天国といった一面もあわせもっています。市内にはショッピングモールが11軒、売り場面積あたりの売上が全米ナンバーワンという「フォーラムショップ」では、ショッピングモールの中に画廊やフェラーリのディーラーまであり、まさに一攫千金の街を象徴しているのです。そうした華やかな顔を持つ一方で、年間350回、延べ620万人が訪れるという博覧会や国際会議などのコンベンションなども催されています。ここに、ラスベガスが常に稼働している理由が存在するのです。では世界一の観光都市、ラスベガスは、いかにして誕生したのでしょうか。

砂漠のなかの広大な土地が、やがて一大娯楽地域へ

今からおよそ170年前、アメリカ北西部のこの地は、あたり一面砂漠のなにもない土地でした。1829年、スペインの探検家アントニオ・アルミホがその砂漠の中にオアシスを発見し、彼はその地にスペイン語で「草原」を意味する「ラス・ベガス」という名前をつけました。当時の、人口はたった25人だったそうです。その後、19世紀後半、アメリカでは、ロサンジェルスを中心とした「ゴールドラッシュ」が起こり、一攫千金を狙い、多くの労働者たちが続々と西海岸にやってきました。その道中、宿泊したのがラスベガスであり、彼らは酒を飲みながら、わずかな持ち金を賭けてカードゲームを楽しんでいたそうです。これが、ギャンブルの街・ラスベガス誕生の瞬間ともいえるでしょう。そして、1905年、LAとソルトレイクシティを結ぶユニオンパシフィック鉄道が開通。ラスベガスに駅ができたことをきっかけに、街を訪れる人が急増。しかし、そこにある問題が浮上します。砂漠の真ん中のオアシスに過ぎなかったラスベガスには、多くの人々を受け入れるだけの水と電力がなかったのです。そのラスベガスの運命を、ガラリと変えてしまったのが「フーバーダム」の建設。日本国内の全てのダムの貯水量の2倍もの水を貯めこめる巨大ダムの建設により、ラスベガスの電力と水不足は、解消されたのです。さらにその年、ラスベガスのあるネバダ州は、財源の確保を理由にそれまで非合法だったギャンブルを合法化。こうした事が重なったことで、ラスベガスは一大カジノタウンへ発展していくのです。街に続々とカジノが出現し、空前の賑わいを見せたラスベガスにニューヨークやシカゴなどで暗躍していたマフィアも目をつけます。一度に巨額の金が動くカジノは、彼らにとって貴重な財源でもあったのです。そんななか、ラスベガスの歴史を変える一人の男が現れます。後に映画「バクジー」のモデルにもなった悪名高いマフィア、ベンジャミン・シーゲルです。彼は「ハリウッドの社交界を、そのままラスベガスへ持ってこよう!」と考えます。砂漠のど真ん中のこの地に、カジノだけではない、すべてのエンターテインメントを盛り込んだ一大レジャー施設の建設を計画したのです。そこでシーゲルが立ち上げたのが、ショーあり、アトラクションあり、ショッピングありの、現在のラスベガスホテルの原型ともいうべき、「フラミンゴ・ホテル」です。気まぐれでこだわり屋のバグジーは、設計の細部にまで口を出し、当初の予算を6倍以上オーバーした660万ドル、現在の価値で80億円という巨額の建設費用をつぎこみました。こうして1946年オープンした「フラミンゴホテル」。豪華絢爛を売り物としましたが、一般の人々にはなかなか受け入れてもらえず、さらに開店資金もあっという間に底をつき、2ヵ月で休業することになったのです。責任を追及されたバグジーは、仲間のマフィアによって暗殺。ホテルの経営は仲間のマフィアの手に移りますが、皮肉なことに、バグジーの死が話題になり、やがて、多くの客が訪れることになるのです。以来ラスベガスは、約30年もの間、マフィアの支配下に置かれることに。ところが、フラミンゴホテル誕生から20年後の1966年。この状況を一変させる一人の男が現れます。映画「アビエイター」のモデルとなった、“20世紀の大富豪”ハワード・ヒューズです。歴史も浅く、発展途上だったラスベガスにアメリカンドリームを感じたヒューズは、航空会社TWAの売却で得た500億ドル、日本円にして約60兆円もの資金でラスベガスのホテル買収を計画。マフィアの手から次々とホテルを買収していきました。当時、マフィアへの取り締まりを強化し、街からマフィアを根絶させようとしていたネバダ州当局の思いとも重なり、ラスベガスをマフィアの血にぬれた歴史から開放していったのです。これによりラスベガスは、安心でクリーンな街へと変貌を遂げ、誰もが自由にカジノやショーを楽しむことができるように。さらに、マフィアがいなくなったことで、ホテル間でもサービスや設備向上の面での競争心が生まれ、人々を魅了するための仕掛けや工夫が次々と組み込まれていくようになったのです。

現在のラスベガスをリードするホテル王、スティーブ・ウィンの手腕

そんなラスベガスで、ホテル界をリードし続ける男性がいます。全米で知らない人はいないといわれ、ハワード・ヒューズから唯一後継を託された男、それが、“ミスターラスベガス”スティーブ・ウィンです。ビンゴホールの経営者であった父の影響を強く受け、学業半ばにして経営者への道を進みだしたウィンは、31才の若さで、カジノ・ゴールデンナゲットの社長に就任。見事な手腕で、経営不振に陥っていたカジノの再建を果たします。そんな彼は、斬新なアイデアで次々とホテルを作り出し、いつしか「ラスベガスを作った男」とまで呼ばれるように。「ラスベガスそのものが夢なのです。ゲストは、この街に来れば、あらゆるものから解放されて、自由になりたいものになれるのです」という言葉の通り、老若男女誰もが楽しめる究極のリゾートを完成させ、90年代のラスベガスに大躍進をもたらした張本人なのです。「客が中に入れば、その客はその中でお金を使う」。そう言って、ウィンが仕掛けたのは、無料のアトラクションやショッピング施設、高級レストランを全てホテルの中に充実させた総合リゾート。あの「シルク・ドゥ・ソレイユ」を、最初にラスベガスのホテルに呼び込んだのもウィンなのです。「カジノだけではないラスベガス」という現在のスタイルを作り上げた人物です。89年には火山噴火の無料アトラクションを付けた「ミラージュ」、そして90年代にはその隣に海賊船のショーを取り入れた「TI」、最高級のホテル施設と、噴水ショーで有名な「べラージオ」など、次々と話題のホテルを建設。ホテルの前に無料アトラクションを飾り、客をひきつけるようになったのは、彼の発想です。他のホテルもこれに習い同様のコンセプトを持ったホテルが次々と誕生することに。そのウィンが、昨年4月に史上最高のホテルをオープン。構想から5年の歳月をかけ作られた「ウィン・ラスベガス」です。ラスベガス初となる敷地内のゴルフコースやラスベガス一の広さを誇るプール、さらにラスベガス一のVIP待遇を誇るサービスも。なんとホテル内に、専用の別荘が設けられているのです。オープン以来世界中の注目を集めている現在、No.1の45階建ての「ウィン・ラスベガス」、ところが、その斜め向かいには今まさに、64階建てのホテルが建設中。そのオーナーは、ニューヨークの不動産王、ドナルド・トランプです。トランプ氏の参入により、ラスベガスは、さらに活気に満ちることでしょう。今後は、ホテル王、スティーブ・ウィンと不動産王、ドナルド・トランプの戦いからも目が離せません。

次回、全米中のメディアがその言動を注目し「TIME」誌発表による、「世界を形どった100人」としても脚光を浴びた今もっともラスベガスで熱い男、スティーブ・ウィンの独占インタビューを敢行。普段メディアに登場しないことで知られるウィンの素顔、そして、彼が目論む次なる計画とは…?現在、最新作、ビートルズの「LOVE」を公演中の「シルク・ドゥ・ソレイユ」。華麗なる演技で人々を魅了し、そのチケットは入手困難といわれるほど絶大な人気を誇る彼らの舞台裏に完全密着。彼らが奏でる究極のパフォーマンスの裏側も、大公開いたします。次回をお楽しみに!!

Copyright(C)2006
tv-asahi
All Rights Reserved.