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――今日は、たっぷりお話をうかがえて、とても楽しかったです。
いえ、いえ。こちらこそ、楽しかったです。今まで、たくさんトーク番組に呼んでいただきましたけど、今日が一番、楽しかった。オーディエンスの外国人の方々も、熱心に聞いてくださって。
――役者としての足跡だけじゃなく、素顔が分かるエピソードも満載でしたね。
みなさん、ご存知ないことが多かったんじゃないでしょうかね。テレビのトーク番組でこれだけ紹介していただいて、自分の考えも話すことができた。初めてですよ、こういうのは。しかも、とても楽しくできた。みなさんも、真剣に聞いてくださって。本当に、初めてです、こういうのは。(特集の)VTR,も的確にまとめてありましたね。僕のやってきた仕事を、丁寧に追ってくれて。
――ご自分のこれまでの足跡をご覧になって、改めて、どんなことを思われましたか?
スタジオでも言いましたが、やはり、平和だからこそ、できたんだなって。戦争なんかあったら、とても800回もできませんよ。あとは、テレビではお話できなかったんですけれども、具体的なことを言うと、歌舞伎は松竹という会社が、ミュージカルは僕の場合は、東宝が(権利を)もっているんですよ。本来ならば、ひとりの役者が両方をやることはできないんですよ。それを、僕にずっと続けてやらせてくれているっていうのは、やっぱり、演劇に携わる人の“演劇的良心”ですよ。演劇人としての良心が、今日の、幸四郎を支えてくれているんだって。これがなければ、絶対にできていませんよ。いくら、こっちが頑張ったって、できるものではないです。どんなことも、人間の心なんだなって。また、その心を動かす、その気にさせることも大事だけれども、心を動かされて、やらせてくれる人たちの愛とかね、努力とか、そういうものに、感謝しないといけないなと思いました。
――番組でも、裏方さん、友人、家族への感謝を忘れないとおっしゃっていましたね。
そうです、そういうことです。多くの方のお力添えのお陰で、やれているわけです。
――3歳で初舞台を踏まれてから、60年間、役者として演じていらっしゃる。「演じる」ということについては、どんなことを思われますか?
普通、俳優は、役を演じるって言いますね。ところが、歌舞伎は役に扮するときね、「役を勤める」って言うんですよ。何で「演じるではなく、勤めなんだろうか」と思っていたんですが、「勤める」とは、毎日、毎日、毎回、毎回、心を込めて演じ続けることなんだって。僕も、長年、役を演じてきたんじゃなくて、特に最近では、役を勤めているなって。幸四郎として生まれたことは、勤め、使命みたいなものだって思っています。
――それと、香取さんから「歌舞伎を見る」「舞台に出る」という約束までも…。
ふふふ。そうですね。香取くんも、今日の特集を「凄い、凄い」と言って感動してくれていたみたいなので、僕も嬉しかったですよ。ですからね、チャンスがあったらでいいですから、ぜひ、チャレンジしてほしいですね。
――まずは、観劇でしょうか。「最初に見るべき歌舞伎」として、幸四郎さんからおすすめはありますか?
いろいろありますでしょ。でも、どうせなら、「これ!」っていう歌舞伎を見てほしいなぁ。さし当たって、僕は、歌舞伎座でやりますからね。ぜひ、ぜひということで(笑)。 |
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(松本幸四郎さん) |
「六月大歌舞伎」
6月2日(金)~6月26日(月)
東京・歌舞伎座
松本幸四郎さん、市川染五郎さんが、「双蝶々曲輪日記」「暗闇の丑松」に出演されます。
「弁慶のカーテンコール」(光文社)
著:松本幸四郎
絶賛発売中 |
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