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たったひとときでも、それで人間性を豊かにする力が伝統芸能にはあると思うんですよね。――崔洋一さん
――今日の芸者特集はいかがでしたか? 監督は、お茶屋さんに上がったことがるとおっしゃっていましたが。
 確かに遊んだことはあるけれど、香取くんよりも歳の分だけ多少、知っているって程度でね。お互い、知らない世界っていうことで楽しめましたよ。

――男性にとっては、お茶屋さんで遊ぶというのは、やはり憧れがあるのかと…。
 そうなのかな。僕が初めて上がったのは、京都だったんですよ。地元の名士の方にお誘い受けて。でも僕は、遊ぶというより、そこが職業柄のいやらしいところなんだけど、いろいろ見て吸収してやろうっていう感じで。好奇心のほうが優先しちゃって。でも確かに、話していると、ベテランのお姉さんたちは凄く面白いんですよ。何を聞いても上手に答えてくれるんだけど、肝心なことはスーッとはぐらかされたりしてね。

――芸者さんというと、映画との結びつきが強いようにも感じますが。
祇園で有名をはせてた役者さんも多かったですし、昔は監督たちもお茶屋さんに上がっていわゆる芸者遊びをしていろんなことを教えられてたってことがあると思うのね。でも、それはもうすたれてますよね。映画界のお茶屋さんだけではなくて、今は伝統文化が特別なものになり過ぎているんじゃないかな。ちょっと、ロマンがなくなっているように感じますね。香取さんとかもそうだと思うんだけど、お茶屋さんとか芸者さんが、物凄く特殊な世界だと思っているじゃないかと。特別なことがないと上がれないってことではないんですけどね。

――今度は、香取さんと一緒になんてお話もありましたね。
機会があったら、ぜひご一緒したいですね。居酒屋でお酒を飲むのとはまた違った、いい酒が飲めると思いますよ。

――「SAYURI」のような映画が公開されることで、日本人の芸者への認識が高まったりすることもあるでしょうか。
誤解が生まれなきゃいいなとは、正直思いますけどね。やっぱり、外国人、特にアメリカ人が芸者を考えるときに、ある種のエキゾチズムの領域からどうやって出てくるかっていうのが重要なポイントだと思います。(中村)喜春さんは、ひとりで頑張ったわけだけど、文化に位置づけられる芸者っていう存在が、外国人にとってどうやって描かれるのか、興味のあるところです。そういう意味では、芸者さんっていうのは、いろんな形で外国の映画や小説のなかで描かれてきてて、とんでもなく頓珍漢なものもあるわけでね。「SAYURI」では、チャン・ツィイー、ミシェル・ヨー、コン・リーの3人がメインなんですけど、彼女たちは日本人じゃないけど、同じ東洋人だからいいんじゃないっていうのが、若干あるのかなって。

――今後、崔監督が芸者をテーマに映画を撮られることはあるでしょうか。
かつての日本映画では、本当にたくさんの芸者さんが描かれてきましたけどね。僕はないでしょうね。でも、最近の若者は、和というか、日本の伝統文化に目を向け始めているっていう傾向もありますよね。こんな時代だからこそ、そんな粋な部分は大事にしたいなとは思います。芸者遊びもそうですけど、たったひとときでも、それで人間性を豊かにする力が伝統芸能にはあると思うんですよね。ちょいと別な扉が開いた感じっていうのかな。そういうものは、あったほうがいいと思います。
(崔洋一さん)
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