――番組中に「金メダル獲得」の速報が入るというライブ感満載のスマステでしたが、いかがでしたか？ 生放送の意味と言いますか、生の醍醐味を感じましたね。今日、スマステに呼んでいただかなかったら、家で寝ていたか、テレビを観ていたとしても「へー、金だってさ」とか言いながら、パジャマに着替えて寝る準備をしていたと思うんです。スポーツでの喜びって、仲間がいることによって相乗効果的に盛り上がっていくものでしょう。今日はそんな感じだったから、興奮しましたね。 ――速報が飛び込んでくることに、緊張はなかったですか？ 私も昔、生のニュース番組に出ていたことがあるんですけど「今、入ったニュースです！」って速報が飛び込んでくると、凄く緊張したものなんですが、今日はその情報の整理をしながら伝えるっていう責任は私にはなかったので、尚更、楽しめました（笑）。香取くんの司会ぶりは、いつもながらお見事でしたね。 ――香取さんはオリンピック観戦で、徹夜続きのようですね。 睡眠不足のハイテンションが功を奏したのかもしれませんけど、体が心配よね。姉心？いえいえ、乳母心でそう思います（笑）。でも、今日、川口さんと話しているのを聞いて驚いたのが、サッカー選手とじっくり話すのが初めてだったということ。香取慎吾っていうスターなんだから、望めばテレビでも新聞、雑誌でも、いくらでも会うことはできるだろうに、あえてそれをせずに、ファンの目線で見ているんでしょうね。だからこそ、私を呼ぶより、そういう選手を呼べばいいのにって思わず言ってしまったの。みんな慎吾くんのためなら、飛んできてくれるはずですもん。 ――阿川さんご自身は、スポーツはお好きなんですか？ インタビュアーの仕事をしているので、知っていなきゃいけないんですけど、詳しくはないんです。いつもにわか勉強で、慎吾くんみたいにフォローしているわけでは全然なくて。でも、川口選手には、雑誌でインタビューをしたことがあるんですよ。横浜マリノスにいらして、凄く活躍されている頃だったと思います。その時に、体調管理のため一日に十数回も体重計に乗って体重と体脂肪を計っているということ、大好きな高カロリーの食べ物があるんだけど、自分は生涯もうサッカーをしないと言う日まで止めているっていう話を聞いて、非常に負けず嫌いでストイックな人だなって思ったんですよ。それほどの人が、だんだんと代表選手から外されていった時の苦しさを考えたら…。今日のお話で「いやー、苦しかった時もありましたよ」なんて、言っていましたけど、尋常じゃないものがあったと思う。それを思ったら、「おおっ、おおっ」と涙が出そうになりました。 ――まさに、見事な復活劇でしたよね。 私も含めて、マスコミとか世の中って勝手なもので、「彼の絶頂期はあの時よ」とか「あの人はもう終わってる」とか、決め付けがちだけれども、それを覆したことが素晴らしいと思います。彼が持っている才能はもちろんだけど、一度落ちても「何クソ！」って、そこから這い上がって、さらに成長も遂げたっていうのが凄い。技術とともに、人並みはずれた精神力ですよね。それと同時に、今回の川口選手のことで、画面に映っていない人に対する物の見方を変えなくちゃって思いも。今は、画面にいないあの人も頑張っているんだ、決め付けちゃいけないなって反省にもつながりました。 （阿川佐和子さん・談）

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