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――今回は「QUEEN特集」でしたので、ぜひ小林さんに彼らの魅力についてお伺いしたいのですが…。
QUEENの魅力はふたつ。まずはライブ・バンドとして、最強とよく言われるローリング・ストーンズと互角くらいの凄さを持っているんです。ライブとしての良さって、熱心なファンはずっとライブに行ってて知ってると思うけど、凄いパワーがあるんですよ。ストーンズの客をあじる姿って凄いじゃないですか。ミック・ジャガーとキース・リチャードの悪役コンビみたいなね。でもQUEENはそれとは違ったパワーがある。この2組を上回るようなライブ・バンドはなかなか出てこないでしょうね。今回も放送したLIVE
AIDで、人気に翳りが見えてたQUEENだけど、そのバンド、そしてフレディがいちばん目立ってたんですよ。華があって、力があって…スターとしての条件を兼ね備えていたんですね。もうひとつは、ヨーロッパの伝統を持ち込んでオリジナルのスタイルを作ったこと。ロックっていろんなものを吸収しようとしたんですよ。例えば、アメリカのR&Bなんかの影響が凄くある。でもQUEENはそこに、ヨーロッパの伝統を混ぜてまったく違うことをやろうとして、成功したという偉さがある。「伝説のチャンピオン(We
Are The Champions)」や「キラー・クイーン(Killer Queen)」みたいなヒット曲はコーラスが重厚じゃないですか。ヨーロッパのクラシックを感じさせるコーラスでしょ? ビーチ・ボーイズやビートルズなんかのアメリカ音楽の伝統から派生したコーラスとは、ちょっと違うんだよね。あとね、フレディの華麗なスタイルばかりに目が行くかもしれないけど、他のメンバーも凄いんですよ。'70年代のU2みたいに、各メンバーがちゃんと成長していってるでしょ。あんな感じなんですよ。
――特集でも触れましたが、日本のQUEEN人気は凄いものがありますよね。
ルックスと実力――これが新しいスタイルだったからだと思います。宝塚が受けるように、QUEENって元々は一番アドレナリンが出てる女の子たちが目を付けたんですよ。QUEENは新しい! ってね。「ベルサイユの薔薇」とかぶったって言う説もあるけど、確かなのはビジュアル系のアーティストを伝統的に紹介する「ミュージックライフ」っていう雑誌が、最初にQUEENを紹介したってこと。で、そこにビジュアルだけでなくて、それを裏打ちする実力があったんです。それで人気につながったんですよね。
――決して一過性で終わらないものがあったわけですね。で、今年は「JEWELS」の大ヒット。その要因は何でしょう?
ビートルズやABBAのように、QUEENは時代を感じさせない音を作ってるんです。特に「オペラ座の夜(A Night At The Opera)」は、イギリスで人気投票をやると一番だったりする。だから、今年になって大ヒットするきっかけを作ったSMAPは偉い!(笑) ただ彼らの曲には潜在的な能力があるから、この先ブームが去っても、また10年経ってヒットするんでしょうね…Maybe。 |
(小林克也さん・談) |
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