AFCアジアカップ2007|櫻井アナのどっぷりアジアカップ Vol.1

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櫻井健介のどっぷりアジアカップ 〜Vol.6
グループステージ1位突破!

7月16日
決勝トーナメント進出をかけた一戦。
グループステージ最終戦は、地元ベトナムとの対戦でした。

試合前日、街中には試合のチケットを買い求める長蛇の列ができていました。

長蛇の列 長蛇の列

もともとベトナム国内のサッカー人気、サッカー熱は高く、相手がアジア王者の日本となれば燃えないはずがありません。
明日の日本とベトナムの一戦は、超満員必至!!

試合当日
そして、試合当日。
見渡す限り人、人、人・・・。
予想通り約4万収容のミディンスタジアムは超満員に膨れ上がりました。


ミディンスタジアム ミディンスタジアム
ミディンスタジアム ミディンスタジアム

当然ですが、そのほとんどがベトナムサポーター。
スタジアムの至る所から「VIETNAM!」、「VIETNAM!」コール!
日本国内でも数々の試合を中継、観戦していますが、海外で完全アウェーの状況に身を置くとやはり独特な気分になります。
いつもその雰囲気に圧倒されないように、呑まれないようにと念じます。
そんな中で、FIFAアンセムに乗せて日本の選手たちが入場してくると胸が熱くなり「頑張れよ!」と心の中で叫んでしまうのは私だけではないはず。

中継班の控え室
スタジアム内にあるテレビ朝日中継班の控え室です。
ここで最終的な打ち合わせをして、中継に備えます。
解説の松木さん、川添さんと試合展開の予想、取材内容の擦り合わせ、中継内容の確認などを行います。


この日は、スタッフの一人が持参したジャパンブルーのシャツに願掛けの寄せ書きをして、必勝を期しました。

寄せ書き 寄せ書き

我々は外野で、監督や選手たちのプレーを見守ることしかできませんが中継という立場、ポジションで戦う気持ちだけは共にありたいと。

試合直前の放送席
試合直前の放送席です。
屋外のスタンド内に放送席を設置して、暑さや空気、選手の息遣い、歓声などを肌で感じながら中継しています。


この試合、日本は引き分け以上なら無条件で決勝トーナメント進出が決まる状況でした。
ただ、前日の会見でオシム監督は、
「ベトナムのホームで、彼らに有利な条件が揃っている。1位でも2位でも、グループステージを突破することが第一目標である。試合展開について、憶測でものを言うのは得策ではない。サッカーは何が起きても不思議ではないスポーツです。」
と、警戒感を強めていました。

また選手代表で会見に臨んだ遠藤選手は、
「負けたら終わりの第2戦、UAE戦を勝ったことでチームの一体感、代表として戦う責任の重さ、そして何より勝つ嬉しさを全員が痛感した。ベトナムに勝って、1位突破することしか考えていない。相手より多く走り、チャンスを作って、生かしていきたい。」
と、チームの結束と強い決意を語ってくれました。

観客席
試合は開始7分に、コーナーキックからベトナムが先制するという日本サポーターにとってはセンセーショナルな展開で始まりました。
しかし、日本代表の選手たちは慌てず、落ち着いていました。
中村俊輔選手の個人技から巻選手が胸で押し込み、同点。
さらに、ゴール前20m付近で得たフリーキックを遠藤選手が直接ゴールに突き刺して逆転。
前半の内に、試合をひっくり返して折り返しました。


後半に入っても日本が主導権を握り、左サイドで駒野選手と遠藤選手が見事なパスワークで相手守備網を突破し、最後は遠藤選手の丁寧なラストパスを中村俊輔選手が右足で叩き込んで3点目。
このシーンなどは、試合後のインタビューでオシム監督が珍しく選手たちを褒めていました。エレガントなサッカーだと。

さらに、ゴール左から遠藤選手が蹴ったフリーキックを遠いサイドへ飛び込んだ巻選手が頭で押し込み4点目。勝負あり。
巻選手はオシム監督がジェフ監督時代からの教え子で、起用の期待に応えた2得点でした。
実は私も巻選手が駒澤大学時代から取材している旧知の選手です。
彼が大学時代に、駒澤大学の寮の個室で
「いつかフル代表の一員としてワールドカップ行けたらね」
と話していたことが去年実現してお互いに驚いたこともありました。

日本代表は、グループステージ最終戦を4対1で快勝!
グループBの1位で決勝トーナメント進出を決めました。
そして、同じグループBからはベトナムが決勝トーナメント進出!
親日国家で、日本代表の選手たちを素直に称えてくれていたことをここに記しておきます。
だからこそ、共に決勝トーナメントへ進出ができて嬉しい限りです。
次に当たるとすればインドネシアのジャカルタで行われる決勝戦。
う〜ん、お互いの健闘を祈って・・・。

試合後のオシム監督、選手たちが正直ホッとした表情だったことは言うまでもありません。
観ている以上にグループステージ突破だけでも過酷で困難なのです。

余談ですが、アジアカップ本戦で決勝トーナメントに進出できたことはベトナムサッカーにとって歴史的快挙だったようで・・・
喜び勇んだサポーターたちが深夜まで騒いでいました。


櫻井 健介(テレビ朝日アナウンサー)
■担当番組■
クイズプレゼンバラエティーQさま!!〔月曜日夜8時〜〕
ANNニュース&スポーツ〔土曜日深夜12時〜〕
サッカー、陸上、水泳、スキー、プロレスなどのスポーツ実況
■現地リポート歴■
2004年 AFCアジアカップ、2006年 FIFAワールドカップなど
詳細は「テレビ朝日アナウンサーズ」まで
http://www.tv-asahi.co.jp/announcer/