尾上右近、お岩様ゆかりの地をお参り「当たり役にしたい」
2024/05/16
歌舞伎俳優の尾上右近(31)が16日、東京・新宿区の陽運寺で行われた、博多座開場二十五周年記念「六月博多座大歌舞伎」の通し狂言「東海道四谷怪談」の舞台安全成功祈願に出席した。
6月2日~17日まで福岡・博多座で上演される同作は、四世鶴屋南北の怪談物の傑作。怨霊となるお岩を右近が演じ、“色悪”と呼ばれる二枚目ながら冷血な伊右衛門を尾上松也が演じる。
右近は公演を控え、お岩様にゆかりの深い妙行寺、田宮神社、陽運寺の3カ所をお参り。「歌舞伎は実在の人物だったり、演目にゆかりのある存在がありながらお芝居を務めることが多いですが、そんな中でもお岩様はいい意味でも人間が深いお役です。今回のように3カ所回ることはなかなか無いですからね。気を引き締めて取り組ませていただくお役だと改めて感じました」とコメント。
昔から四谷怪談を演じると“何かある”と言われているというが、「僕の気持ちとしては、安全をお願いすると同時に成功もお願いした。マイナスなイメージを逆にプラスにとらえて、味方になっていただくつもりでお参りした」と話した。
右近にとってお岩は初役だが、何度も縁を感じたそうで、「役者は役を選んでいるつもりで、実は役に選ばれているとすごく感じた。今回、お岩様に呼んでもらえたという感覚があるので、自分の体を通して今の世に伝える役割を果たしたい。実際に扮装したら、しっくりきた。これはもう当たり役にしたいと思っております」と意気込んだ。
同作にかけて、女性にたたられるような事は無いかと問われると、「いや、してないと思いますよ。(実生活で)そういう体験もしていない。わりと健全だと思います」と話していた。