宝塚歌劇団の女優死亡問題、劇団側が一転パワハラ認め謝罪、双方が合意
2024/03/28
昨年9月に宝塚歌劇団の女優が死亡した問題で28日、遺族側の代理人が会見を開き、劇団側が一転してパワハラを認めたため双方が合意に達したと発表した。
宝塚歌劇団宙組に所属していた女優(25)は、昨年9月に死亡し、遺族が上級生からのパワハラがあったとして謝罪を求めて、劇団側と協議を続けてきた。劇団側は女優に対して、上級生がヘアアイロンでやけどを負わせたことや人格否定のような言葉を浴びせたことなど、14の行為をパワハラと認めたという。
会見では女優の母親の手記が読み上げられた。
「一切パワハラは無かったと主張された劇団が、多くのパワハラを認め、本日ようやく調印となりました」「言葉では言い表せないたくさんの複雑な思いがあります。娘に会いたい、生きていてほしかったです」などとしている。この日の合意書調印の場には、阪急阪神HDの角(すみ)会長も同席し、遺族に直接謝罪した。
この問題を巡っては、昨年11月に公表された劇団側の調査報告書で、長時間労働による心理的負荷がかかっていた可能性は指摘したものの、パワハラやいじめは、認定されていなかった。
これを受けて遺族側は「パワハラやいじめを認定せずに、合意解決することはありえない」として、これまで劇団側との面談を重ねてきた。
先月開かれた遺族側の会見では、亡くなった女優の妹が、「日常的にパワハラをしている人が当たり前にいる世界」「遺族に誠意を持って対応しているとは思えない」と歌劇団側の姿勢を批判するコメントを発表していた。