渡辺謙「出るべき作品」佐藤浩市に全幅の信頼
2020/03/05
俳優・渡辺謙(60)、佐藤浩市(59)が4日夜、東京・千代田区の日本外国特派員協会で行われた映画「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」(若松節朗監督、6日公開)の記者会見に出席した。
2011年3月11日に発生した東日本大震災の福島第一原発事故を題材にした作品で、ジャーナリスト・門田隆将氏のノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」が原作。未曽有の大事故と戦い続けた者たちの知られざる物語を描く。
佐藤は当初、「被災した人のこと考えると、映画化するのは早いんじゃないか」と感じていたというが、「痛みを次の世代に語り継ぐためにも、この時期に見てもらう映画だと思っている」と力を込めた。
渡辺は劇中で、唯一実名で登場する福島第一原発所長の故・吉田昌郎さんに身を投じた。役作りの苦労を聞かれると、「共通項は背が高いくらいしかない」とあえて笑いを誘うようなジョークを言い、「大きかったのは、(当時吉田さんと)一緒に仕事をしていた人にお話を聞けたこと。コミュニケーションの仕方などをリサーチ出来た」と語った。
実はこれまでに複数回、吉田さんを題材にした作品のオファーを受けたことがあったそうで、「事故だけを取り上げては届かない」と断っていたことを告白。「今回の話をいただいた時、吉田さんをサイドストーリーで描いている。ヒューマンドラマになると思ったし、(主演が)佐藤浩市くんと聞いた時、僕が出るべき作品だと感じた」と笑顔で信頼を明かした。