ハルヒ役の平野綾が「負けないでほしいです」
2019/07/23
京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオで34人が死亡した放火殺人事件を受け、アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」で涼宮ハルヒ役を務めた声優で女優の平野綾(31)がブログで哀悼の思いをつづった。「この度の事件に関しまして」のタイトルで22日に更新、全45行の長文になっている。
冒頭で「まずは今回の件で被害に遭われた方々、御家族の皆様の心が癒える日が一日も早く訪れるよう願うと共に、亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します」と被害者及びその家族にメッセージ。続いて、「勉強中の旅先でニュースを聞き、限られた情報のなかで今回の惨劇を知りました。状況が分からないなかで軽々しく発言してはいけないと今まで沈黙してきましたが、ショックと喪失感で何もできなかったというのもあります。たくさんの報道機関、ファンの方々からコメントを求められましたが、心が全く追いつかない状況でした。皆さん同じだと思いますが、まだ現実を受け入れられずにいます」と、気持ちを整理してからの更新となった事情を説明した。
自身の飛躍・成長が「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」という京都アニメーションの制作だったことに触れ、「この作品がなかったら今の私はいません。会社にもお伺いしたことがあり、皆さん本当に暖かく、アットホームな雰囲気でひとつの作品を作る感覚があり、どの作品もその暖かさで溢(あふ)れていて、いつも心が満たされました。たくさん相談させていただいたし、一緒に悩んだり心から笑ったり、作品作りを通してたくさんの感動を共有させていただきました」と感謝の思いで回想。被害に遭われた方々の気持ちを最優先に考えることが大切としたうえで、「アニメは日本の文化です。熱意と才能に溢れたクリエイターの皆様、そして文化や芸術が、このような理不尽な悪意によって破壊されることなど、絶対にあってはなりません。今回のことで常識や信念を覆されたように思います。被害に遭われた皆様の一日も早い回復を心からお祈りしています。祈るしかできないけれど、強く強く願います。色々な感情を押し殺していますが、本当に悲しいです。悔しいです。負けないでほしいです」とエールを送ったあと、最後に「上手く言葉にできなくてすみません」と結んでいる。