是枝監督に功労賞「早すぎた」国際映画祭で
2018/09/24
最新作「万引き家族」が公開中の是枝裕和監督(56)が、スペインで開催中の「第66回サン・セバスチャン国際映画祭」で23日、生涯功労賞に当たる「ドノスティア賞」を受賞した。
ドノスティア賞は1986年に創設され、俳優や監督に贈られる最も栄誉ある賞。アジア人では初の快挙となる。
授賞式で是枝監督がトロフィーを受け取ると、場内はスタンディングオベーションと大きな拍手に包まれた。これまでの作品映像がダイジェストで上映され、監督作品には欠かせない女優の樹木希林さんの姿を目にした監督は「2年前、『海よりもまだ深く』で希林さんとこの映画祭を訪れることができ、とても楽しい時間を過ごした。10年、役者と監督という関係を越えて、パートナーとして映画を作ってきた方」と思い出がよみがえり涙ぐむシーンも。監督自身が大切にしている映画祭での受賞には緊張しきりで、「自分がもらうには早すぎた」と言いつつ、「まだキャリア半分で、あと20年は作ろうと思っています」と決意を新たにした。その後、主演俳優のリリー・フランキー(54)も登壇。涙ぐんでいる監督へハンカチを差し出し、会場からは再び温かい拍手がわき起こった。
授賞式前には是枝監督とリリーが記者会見。リリーは4回目のタッグを組んだ是枝監督との関係を聞かれ、「最初の作品からファン。今でも会うと照れくさくて、もじもじしてしまう」と意外な一面を告白。「自分が映画に呼ばれた理由は『“せこい男”をやらせたらリリーさんが一番うまいんだ』と言われた」と明かし、会場の笑いを誘っていた。